2009 Fiscal Year Annual Research Report
微生物ゲノム比較基盤の確立に向けたゲノムコア構造解析法の開発
Project/Area Number |
20310125
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
内山 郁夫 National Institute for Basic Biology, ゲノム情報研究室, 助教 (90243089)
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Keywords | ゲノムアライメント / 進化 / 微生物ゲノム / 水平遺伝子異動 / ゲノムデータベース |
Research Abstract |
本研究は、微生物のゲノム進化を考える基礎として、近縁ゲノム間で主に垂直に伝搬され保存された構造としての「コア構造」を定義する方法を開発し、大量に蓄積しつつある微生物ゲノムの整理を行うことを試みる。この目的のため、類縁ゲノム間でのオーソログテーブルを入力として、それらの間で遺伝子の並び順が保存された構造を抽出するプログラムCoreAlignerを開発している。今年度は、CoreAlignerプログラムを、新たにに開発した比較ゲノムワークベンチ上に載せることにより、我々が定期的に更新しているデータベース微生物ゲノムMBGDのデータを利用して、オーソログ解析からコア構造解析までを一連の流れで進める体制を確立した。また、この上で動作するユーザインターフェイスによって、コア遺伝子のゲノム上の配置を多角的に表示し、詳細な解析を行うことを可能にした。合わせて、基礎となるMBGDデータベースの更新と改善も行った。これらを用いて、一定数以上の多様なゲノム配列が利用可能であるような「科」レベルの系統群31種類を抽出し、これらにCoreAlignerプログラムに適用して、その汎用性を確認したところ、マイコプラズマ科など遺伝子の並び順の保存性が極めて低い一部を除いて、一定サイズ以上のコア構造を抽出することができた。また、これまでPerlで実装されていたCoreAlignerプログラムの構成を見直してJavaで再実装し、アルゴリズムを高度化するための体制を整えた。これに基づいて、今後階層構造を持つ系統群の解析にむけてのアルゴリズムの拡張を行う。
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Research Products
(5 results)