2010 Fiscal Year Annual Research Report
赤外円二色法によるスタンダード・キロプティカル構造解析法の構築
Project/Area Number |
20310127
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
門出 健次 北海道大学, 大学院・先端生命科学研究院, 教授 (40210207)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 透 北海道大学, 大学院・先端生命科学研究院, 助教 (00587123)
|
Keywords | 生体機能関連物質 / トランス脂肪酸 / キラル / VCD |
Research Abstract |
昨年行った合成ルートを参考にして、光学活性かつ均一の炭素鎖を有するトリアシルグリセロールの合成を行った。ジアシルグリセロールの場合と同様に、1,2-Di-O-iropropylidene-sn-glycerolを絶対配置が確定した出発物質として使用し、1位のフリーアルコールを保護した後、リノール酸をエステル結合で2ヶ導入、その後、アルコールを脱保護し、オレイン酸を結合させた。また、鏡像体の合成も同一のスキームにそって行った。実施した反応条件では、ラセミ化反応は全く起こらないと考えられ、これにより、光学的に純粋なトリアシルグリセロールを得ることができた。次に合成されたトリアシルゴリセロール及びトリアシルグリセロールを主成分とする市販植物油脂のVCD測定を行った。重水素クロロホルムを溶媒として、カルボニルの吸収を目安に測定を行ったが、カルボニル吸収付近のVCDシグナルに再現性が見られなかった。この結果は、合成品および市販植物油脂で同様な傾向であった。VCDシグナルに再現性が見られないことから、他のトリアシルグリセロールの合成を見合わせ、再現性が得られない原因を究明することとした。種々VCD測定条件を検討した結果、ニートの状態で、測定セルを回転させるとカルボニルVCDシグナルの強度が劇的に変化することを発見した。このシグナル強度の変化は、セルの回転角度に依存しており、このことから、合成トリアシルグリセロールが自由な運動をしておらず、一種の液晶状態に近い状態にあると結論づけた。当初予定していたトリアシルグリセロールのVCDによる単純なプロファイリングは、困難であることが判明したが、トリアシルグリセロールの液晶状態をVCDにより観察することができた。
|
-
[Journal Article] Salvileucalin C, a novel rearranged neoclerodane diterpene from Salvia leucantha2011
Author(s)
Aoyagi Y., Yamazaki A., Kato R., Tobe F., Fukaya H., Nishikawa T., Nakahashi A., Miura N., Monde K., Takeya K.
-
Journal Title
Tetrahedron Lett.
Volume: 52
Pages: 1851-1853
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-