2008 Fiscal Year Annual Research Report
植物のイオンチャネル制御に関与する膜タンパク質の生物有機化学
Project/Area Number |
20310128
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上田 実 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 教授 (60265931)
|
Keywords | アメリカネムノキ / 就眠運動 / MTPJH / エナンチオディファレンシャル / コロナチン / exo-選択的Diels-Alder |
Research Abstract |
マメ科植物アメリカネムノキの就眠物質を基に、Click Chemistry型プローブの合成を行った。D-糖、およびL-糖を含む完全な鏡像体型アジ化プゴーブ並びに、エピトープペプチドであるFLAGユニットを含む8員環型アルキンユニットの合成により、標的タンパク質(Membrane target protein of hydroxyjasmonate ; MTPHJ)精製のための段階的タギング実験の準備が完了した。また、運動細胞プロトプラストを用いた実験により、就眠物質の添加で運動細胞の体積収縮が起こることが確認された。収縮は鏡像体では起こらないことから、リガンドの立体化学を認識するMTPHJが、細胞体積収縮に重要な役割をはたしていることを確認した。さらに、就眠物質は植物のストレス応答反応であるharvibor放出を誘導しないこと、エクオリン導入ダイズ細胞にカルシウム応答を引き起こさないことを明らかにし、就眠物質とジャスモン酸類が全く異なる分子機構で働くことを示した。 また、植物毒素コロナチンをexo-選択的Diels-Alder反応を鍵反応として合成することに成功した。コロナファシン酸ならびにコロナナミン酸の両鏡像体から、可能な4種の立体異性体を合成し、その気孔開口誘導活性を検討した。天然型のみが顕著な活性を示すことから、コロナチン標的探索にも、エナンチオディファレンシャル法が有効であることを示した。(601文宇)
|
Research Products
(9 results)