2009 Fiscal Year Annual Research Report
植物のイオンチャネル制御に関与する膜タンパク質の生物有機化学
Project/Area Number |
20310128
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上田 実 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 教授 (60265931)
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Keywords | コロナチン / ジャスモン酸配糖体 / exo選択的Diels-Alder反応 / イソレスペデジン酸カリウム / Stepwise Tagging / MetE |
Research Abstract |
微生物由来の植物毒素コロナチンは、ジャスモン酸様の強力な活性を持つ化合物である。本年度は、その両鏡像体を、exo選択的Diels-Alder反応を利用した合成経路で合成し、その気孔開口活性について検討した。予想通り、活性は天然型の立体化学を持つものにしか認められず、エナンチオディファレンシャル法による標的探索が有効であることを示すことができた。また、これとは対照的に、ジャスモン酸の配糖体には、ジャスモン酸活性が全く認められないことも明らかにした(論文未発表)。これは、標的部位の違いによるものと推定され、次年度は、両化合物の活性の差異についてさらに詳細な検討を行うため、生化学的な手法とともに、モデル植物シロイヌナズナのCOI1変異株を用いた遺伝学的手法も併用して、標的タンパク質の同定を行う。 また、生理活性天然有機化合物の標的探索研究に関して、分子タグを効率的に導入しうる、Stepwise Tagging法を開発、報告した。これを用いることで、エビスグサの葉を開かせる活性物質であるイソレスペデジン酸カリウムの標的探索を行い、細胞質タンパク質MetEを標的として同定した。MetEはメチル化酵素であり、標的同定は、運動制御の分子機構に重要な示唆を与える発見であると考えられる。今後、本方法論をジャスモン酸配糖体やコロナチン等の系に適用して、これらの標的探索研究の推進を目指す。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] M.Okada, S.Ito, A.Matsubara, I.Iwakura, S.Egoshi, M.Ueda, Total Syntheses of Coronatines by exo-Selective Diels-Alder Reaction and Their Biological Activities on Stomatal Opening2009
Author(s)
M.Okada, S.Ito, A.Matsubara, I.Iwakura, S.Egoshi, M.Ueda
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Journal Title
Org.Biomol.Chem. 7
Pages: 3065-3073
Peer Reviewed
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