2009 Fiscal Year Annual Research Report
化学合成を基盤とした生物活性天然物の分子科学的研究
Project/Area Number |
20310137
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
森本 善樹 Osaka City University, 大学院・理学研究科, 教授 (90244631)
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Keywords | テウリレン / 仮想生合成前駆体 / スクアレンテトラエポキシド / カスケード型環化反応 / バイオミメティック合成 / ハウアミン |
Research Abstract |
本年度においては、紅藻Laurencia obtusaから単離、構造決定されたTHF環が連続的に3つ連結したテウリレンに焦点を絞った。鍵となる仮想生合成前駆体スクアレンテトラエポキシドの連続的カスケード型環化反応によるバイオミメティック合成に先立ち、仮想生合成前駆体と同じ立体配置を有するモデル基質テトラエポキシドを、ゲラニオールを出発物質としてShalpless及びShiの不斉エポキシ化反応により立体選択的にエポキシドを構築した後、オレフィンメタセシスによる二量化、均一系触媒を用いた水素化をキーステップとしてエナンチオ選択的に構築することに成功した。またもう一つのモデル基質ジエポキシジエンもゲラニルアセタートからアルデヒドの保護基としてシアノヒドリンのTBSエーテルを効果的に用いることにより、テトラエポキシドと同様な方法により合成した。これにより鍵となる仮想生合成前駆体スクアレンテトラエポキシドの合成法を確立できた。この両モデル基質テトラエポキシドとジエポキシジエンをTHF-水中トリフルオロメタンスルホン酸で処理すると5-exo-tetモードのカスケード型環化反応が一挙に進行し、テウリレンと同じ立体配置を有する3環性生成物とジエンを有するモノTHF体が予想よりよい収率で立体選択的に生成することを見い出した。これによりカスケード型オキサ環化の反応条件を確立できた。これらの結果を踏まえ、来年度は本物のスクアレンテトラエポキシド基質でカスケード型オキサ環化を実現する。 ハウアミンの合成に関しては、左右両セグメントを鈴木-宮浦カップリングにより連結することに成功し、目下問題の3-アザ-[7]-パラシクロファンの11員環の閉環を検討している。
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Research Products
(21 results)