2010 Fiscal Year Annual Research Report
化学合成を基盤とした生物活性天然物の分子科学的研究
Project/Area Number |
20310137
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
森本 善樹 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90244631)
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Keywords | テウリレン / イソデヒドロチルシフェロール / ハウアミンB |
Research Abstract |
細胞毒性オキサスクアレノイドの連続的カスケード型環化反応によるバイオミメティック合成については、モデル実験で確立した合成方法を用いてテウリレンの仮想生合成前駆体スクアレンテトラエポキシドを立体選択的に合成することに成功した。この基質をモデル実験で見いだしたカスケード型オキサ環化の反応条件THF/H_2O=9:1中触媒量のトリフルオロメタンスルホン酸で処理したところテウリレンが28%の収率で得られることがわかり、仮想生合成経路を化学的に再現することに成功した。強力な細胞毒性を有するイソデヒドロチルシフェロールの化学合成による全立体構造決定の問題は、左右両フラグメントの立体選択的合成法の開発まで進行している。 ハウアミンの合成については従来の合成ルートの改良を行い、特徴的な骨格構造であるほとんど例のないC26位のジアリール置換不斉4級炭素とBredt則に反する橋頭位二重結合(C2=C25)を含むインデノテトラヒドロピリジン骨格のジアステレオ選択的な合成法を確立することができた。具体的には、C26位のジアリール置換不斉4級炭素を、4-メトキシピリジンから位置選択的に調製したジヒドロピリドンのパラジウム触媒分子内α-C-アリール化反応により高ジアステレオ選択的に構築することに成功した。さらにその生成物のビニローガスイミド官能基をトシルヒドラジドにより一段階で直接二重結合に変換する反応も新たに見いだし、ハウアミンBのインデノテトラヒドロピリジン骨格の効率的合成を達成した。
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Research Products
(18 results)