2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20310138
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
藤井 郁雄 大阪府立大学, 理学系研究科, 教授 (70189984)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
円谷 健 大阪府立大学, 理学系研究科, 准教授 (00372855)
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Keywords | 抗体酵素 / 遷移状態アナログ / 抗原 / モノクローナル抗体 / ハイブリドーマ / 免疫 / 進化分子工学 / ライブラリー |
Research Abstract |
I) 抗体酵素(Catalytic Antibody)の試験管内進化 最近,酸化反応を触媒する抗体の作製に,世界で初めて成功した。私たちは,ウミホタルのルシフェラーゼに着目し,ルシフェラーゼ活性をもつ抗体を作製した。本抗体(7D10)は,分子状酸素によるルシフェリンの酸化反応を触媒し発光する。そこで,本抗体を進化分子工学的に研究し,高活性化を検討した。 a) 酵母表層ディスプレイ・ライブラリーの構築 抗体7D10のscFvフラグメントを酵母表層に提示させ,PCRにより抗原結合部位にランダム変異を導入して,抗体7D9変異体の酵母表層抗体ライブラリーを作製した。 b) セルソーターによる酵母表層ディスプレイ・ライブラリーのスクリーニング 抗原(ハプテン)をビオチン化し,これに結合する抗体提示酵母をセルソーターより選別し,高結合活性の抗体を取得することと成功した。 II. ホロ酵素型抗体酵素の新機能開拓 最近,従来の遷移状態アナログとは全く異なる進化型ハプテンを設計し,「ホロ酵素型抗体酵素」の作製に成功した。ホロ酵素型抗体酵素は,活性部位に低分子有機化合物の人工補酵素をもち,それを触媒基としてアシル転移反応を触媒する。 a) 抗体酵素によるβ-脱離反応 カルボン酸型人工補酵素を合成し,これを塩基触媒として作用されることにより,β-ハロケトン化合物の脱離反応を触媒することに成功した。 b) 部位特異的化学修飾による高活性化 アルキル側鎖などの異なる人工補酵素を合成し,これらを用いて抗体酵素の触媒活性を最適化を検討した結果,本抗体の人工補酵素に対する特異性が明らかになった。
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