2009 Fiscal Year Annual Research Report
標的タンパク及び糖鎖を光分解する光感受性生体機能分子の創製と応用
Project/Area Number |
20310140
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
戸嶋 一敦 Keio University, 理工学部, 教授 (60217502)
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Keywords | タンパク / 糖鎖 / ボロン酸 / フラーレン / アントラキノン / 光分解 / アミロイドβ / 結核菌 |
Research Abstract |
本研究では、特定波長の光照射をトリガーとして、標的タンパク及び糖鎖を選択的に光分解する光感受性生体機能分子の創製研究としての2年目において、以下のことを行った。アルツハイマー病に関与しているアミロイドβに着目し、アミロイドβモノマー及びそのオリゴマーを、光照射下、効果的に分解する光感受性生体機能性分子のデザイン、化学合成、及びその機能評価を行った。すなわち、アミロイドβに対して高い親和性と親水性を有する、フラーレン-糖ハイブリッド分子をデザイン、化学合成し、これがアミロイドβに対して強い親和性及び凝集阻害活性を有することを見出した。さらに、このフラーレン-糖ハイブリッド分子が、ブラックライト(365nm)の光照射下、アミロイドβのモノマー及びオリゴマーを効果的に光分解することを見出した。また、糖研究室において、糖鎖を、ブラックライト(365nm)の光照射下において光分解する機能を有することが見出されている小分子有機化合物であるアントラキノン誘導体に、糖鎖が有する特異なジオールを選択的に認識するボロン酸を付与したアントラキノン-ボロン酸ハイブリッド分子を分子デザイン、化学合成し、これが糖の中でも、ガラクトフラノシド残基が有する5,6位のジオールを選択的に認識すること、さらに、これがブラックライト(365nm)の光照射下、ガラクトフラノシド残基を有する糖鎖を選択的に光分解することを見出した。また、このアントラキノン-ボロン酸ハイブリッド分子が、ガラクトフラノシド残基を有する病原菌である結核菌の増殖を、光照射下、選択的かつ効果的に抑制することを見出した。
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Research Products
(15 results)