Research Abstract |
1) セキショクヤケイ繁殖集団を形成して研究に供し,光感受性に着目して調査したところ,季節繁殖性研究のモデルとして有用であることが示唆された(Anim.Sci.J. 80(3), 2009, in press.)。 2) 主要組織適合抗原複合体における均一性を皮膚移植法や同種免疫抗体産生の有無を指標に,約30-50年間維持されてきたRIR-Y8/NU, YL, WL-GおよびBL-Eの4系統について調べたところ,系統内及び一部系統間での均一性が確認でき,これらの系統が組織移植や免疫学的な研究に有用であることを示した(Exp.Anim. 58, 2009)。 3) ウズラ,ニワトリを用いて,甲状腺刺激ホルモンが下垂体隆起葉でつくられること,そして,これが直接視床下部に働いてDIO2酵素産生を促進し,生殖腺の発達や季節繁殖性が制御される事を明らかにした(Nature 452,2008)。 4) SIL系統とBMC系統を用いてリソースファミリーを作製し,色素細胞の組織への過沈着を支配する主働遺伝子のゲノム上の位置を特定しつつある。 5) 抗体の卵黄移行の機構について,IgY構造に着目し解析した結果,IgY構造領域の部分的欠損により卵黄への移行量が減少することを見いだした。現在,組換えIgYによる移行量の解析を進めている。 6) 日本産チャボ7品種の遺伝的多様性を40種のマイクロサテライト標識で測定した結果,305アレルが見いだされ,7品種間とセキショクヤケイとの間に大きな遺伝分化(Fst=を認めた(Anim.Genet.39,2008)。 7) 鳥類研究者コミュニティにおける研究資源情報の共有化を進めた(http://www.agr.nagoya-u.ac.jp/~abrc/)。 8) 機関内外研究者を対象に鳥類関連研究セミナーを4回開催し,研究討議と研究資源に関する情報交換を行った。
|