2009 Fiscal Year Annual Research Report
宝石サンゴ類の持続的利用と適切な国際取引管理に関する研究-ワシントン条約への貢献
Project/Area Number |
20310144
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
岩崎 望 Kochi University, 教育研究部・自然科学系, 准教授 (20193724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 知彦 高知大学, 教育研究部・自然科学系, 教授 (60145109)
山田 正俊 放射線医学総合研究所, 放射線防護研究センター, チームリーダー (10240037)
長谷川 浩 金沢大学, 自然科学研究科, 准教授 (90253335)
藤田 敏彦 国立科学博物館, 動物研究部, 研究主幹 (70222263)
秋道 智彌 総合地球環境学研究所, 研究推進戦略センター, 教授 (60113429)
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Keywords | 環境調和型農林水産 / 海洋生態 / 水産学 / 持続的利用 / ワシントン条約 |
Research Abstract |
1. 宝石サンゴの資源量を推定するために平成21年3月に奄美近海の2海域において無人探査機(ROV)を用いた調査を行った。その結果、アカサンゴの密度は100平方メートルあたり平均0.48群体であり、集中分布をしていることが明らかになった。両海域のサイズ組成分布を比較した結果、比較的大型の群体が一方の海域にはみられなかった。これは、大型群体は漁獲されたと考えられ、昨年度得られた成長速度を用いて推定すると小型群体が漁獲サイズになるには20~30年を要することが明らかになった。漁獲海域を区分し30年毎に漁獲海域移動していけば、持続的な漁獲が可能であることが示唆された。 2. 宝石サンゴの種間・種内の系統学的関係を解析するために、アカサンゴ(Paracorallium japonicum)とシロサンゴ(Corallium konojoi)のミトコンドリアゲノムの全塩基配列の決定を行った。その結果、それらの遺伝子配列は異なっていること、また他の近縁種とも異なることが明らかになった。今後、モモイロサンゴとベニサンゴのミトコンドリアゲノム全塩基配列の決定を行う。 3. アカサンゴとモモイロサンゴ骨軸中に含まれる色素成分を抽出し比較した結果、両者ともほぼとんど同じ組成であることが明らかになった。両種の赤色と桃色の相違は、色素成分の含有量に起因することが示唆された。今後、色素成分を種同定の指標として用いられるかどうかについて検討する。 4. 平成22年3月に開催された第15回ワシントン条約締約国会議に提出された宝石サンゴ類を付属書IIに掲載する提案を検討した結果、提案書のデータには不備があること、漁獲量で資源量を論じるのは誤りであることなどを宝石サンゴに関する国際ワークショップなどで指摘し、宝石サンゴの利用をめぐる国際的な議論に貢献した。
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Research Products
(38 results)