2009 Fiscal Year Annual Research Report
ASEAN新規加盟国の「中進国」ベトナムと地域統合-日越関係を視野に入れて
Project/Area Number |
20310145
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古田 元夫 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50114632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山影 進 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10115959)
佐藤 安信 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90313981)
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Keywords | ASEAN / CLMV(ASEAN新規加盟国) / ベトナム / 地域統合 / 大メコン圏 / 東西回廊 / 発展の三角地帯 / 日本の役割 |
Research Abstract |
本研究は、この地域で急速な展開を見せている地域統合の動態にせまるため、ベトナムの東南アジア研究所と協力して、研究者だけなく、政府関係者や経済人も参加するワークショップを開催することを重視している。本年度は、当初計画のとおり、11月にラオスのヴィエンチャンで、1月にベトナムのバンメトートで、ワークショッブを開催した。 11月のヴィエンチャンで開かれたワークショップは、ラオス国立政治学・行政研究所(the National Academy of Politics and Public Administration)との共催で行われた。本ワークショップでは、池本幸生"The Current Global Crisis and Asia"、ペンタ・ヴィラヴォン"GMS countries overwhelming the World Economic Crisis"、ブンマリー・ヴィラヴォン"The Champasak province development project in the Lao PDR related to the GMS development project or the East-West Corridor"、グエン・ズイ・ズン&ヴォー・スアン・ヴィン"The development of GMS countries and the role of Vietnam"の計4本の報告が行われた。また、本ワークショップに先駆けて、ベトナムのヴィンからラオス・ヴィエンチャンまでの陸路を実走し、ベトナムとラオス国境周辺地域をはじめとした周辺状況の調査を行った。さらに、11月27日~29日にかけて、タイのコンケンにおいて"the Impacts of Economic Intergration on Upland Farming and Ethnic minority in the Greater Mekong Sub-region"シンポジウムをメコンインスティテユートとの共催で開催し、古田元夫、白石昌也による基調講演のほか、池本幸生の招待講演"Poverty, Inequality and Health"、伊藤未帆の研究報告"Higher Education Opportunity for Ethnic Minorities : the Impact of Affirmative action for Ethnic Minorities in the Period of Doi Moi, Vietnam"が行われた。 1月5日のバンメトートワークショップは、「ベトナム・ラオス・カンボジア(VCL)間の発展の三角地帯の開発と日本の役割」をテーマに行われ、グェン・ズイ・ズン「ベトナム・ラオス・カンボジア発展の三角地帯の開発ベトナムと日本の役割」、タン・クォック・カイン「ベトナム、ラオス、カンボジアの発展の三角地帯におけるジャライ省の位置づけと役割」、チャン・マイン・フオン「ベトナム-ラオス-カンボジア発展の三角地帯におけるダクノン省の潜在能力と展望」、グエン・ディン・バック「CLV発展の三角地帯におけるコントゥム省の位置と役割」、池本幸生"Sustainable Coffee : Environment and People's Life"、山影進「CMLVと日本外交」、チュオン・ミン・ズック「中部高原の少数民族地域における経済・社会的発展」、古田元夫「21世紀にふさわしい開発モデルを求めて:発展の三角地帯・中部高原・日本における研究」、グエン・ヴァン・タン「21世紀はじめにおけるカンボジア、ラオスとの経済協力関係とベトナムの役割」、グエン・フイ・ホアン「発展の三角地帯に対する国際援助のマネジメントの実態」、チュオン・ズイ・ホア「南ラオス諸県の経済・社会状況と発展の三角地帯へのかかわり」、グエン・トゥ・ミー「成長の三角地帯:ベトナム、ラオス、カンボジア間の発展の三角地帯に対するASEANの経験」を含む計13本の報告が行われた。また、1月6日~8日にかけて、バンメトートからジャライ、プレイクまでを実走し、レータイン国際国境ゲート、コーヒー・お茶農園での聞き取り調査を行った。 これらの活動を通じ、本年度は、(1)ASEAN新規加盟国のうちラオス、カンボジア、ベトナムにまたがる発展の三角地帯の現状と課題の解明、(2)この地域の発展にベトナムと日本が果たしうる役割について日越研究者および同地域の行政担当者との意見交換、(3)東西回廊をめぐる人々の暮らし、とりわけ国境地域に居住する少数民族についての視点を含めた実情把握等の面で大きな成果があった。
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Research Products
(5 results)