2008 Fiscal Year Annual Research Report
南インド現存二学派の収集諸写本に基づくヴェーダ新資料の校訂と研究
Project/Area Number |
20320010
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤井 正人 Kyoto University, 人文科学研究所, 教授 (50183926)
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Keywords | ヴェーダ / サンスクリット / インド / ケーララ州 / ジャイミニーヤ派 / ヴァードゥーラ派 / 写本 / 校訂 |
Research Abstract |
本研究は、南インドに伝承が現存するジャイミニーヤ派サーマ・ヴェーダとヴァードゥーラ派ヤジュル・ヴェーダの主要文献を、収集諸写本を中心資料として校訂し研究することを目的としている。研究代表者のほか三名の連携研究者(井狩彌介、梶原三恵子、手嶋英貴)と、複数の研究協力者(海外共同研究者)が研究に参加している。平成20年度の研究実績は以下のとおりである。ジャイミニーヤ派文献に関しては、ブラーフマナおよびウパニシャッドを藤井が、シュラウタとグリヒヤの両スートラをアスコ・パルポラ(ヘルシンキ大学)が担当して校訂と研究を進めた。ヴァードゥーラ派文献に関しては、井狩が校訂しつつあるシュラウタ・スートラを井狩、藤井、梶原、手嶋が共同で、グリヒヤ・スートラを梶原が井狩の協力のもとに、それぞれ研究を進めた。そのほか、梶原が平成20年8月から9月にかけて米国ハーヴァード大学で資料収集を行ない、藤井、梶原、手嶋が平成21年2月に南インドのケーララ州のジャイミニーヤ派とヴァードゥーラ派の伝承地に入り、伝承家系と写本の調査を行なった。今回の調査では、特に、両学派間に婚姻による家系上のつながりが多くみられるとともに、両学派の伝承者たちがナンブーディリと称されるケーララ州のバラモンの各種のネットワーク(婚姻、教育、儀礼、寺院などに関する)の中で広範囲に活動していることを知り得た。また、藤井とパルポラは、先年、ヴァラーナシで存在を確認しつつも撮影許可を得ることができなかったジャイミニーヤ写本に関して、インド人研究者の支援をうけて、一定の条件下での撮影許可の内諾を得るに至った。
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