2010 Fiscal Year Annual Research Report
森鴎外『椋鳥通信』における西欧文化受容・伝播の総合的研究
Project/Area Number |
20320037
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
金子 幸代 富山大学, 人文学部, 教授 (40224597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出原 隆俊 大阪大学, 文学研究科, 教授 (10145930)
国府寺 司 大阪大学, 文学研究科, 教授 (50205340)
平山 令二 中央大学, 法学部, 教授 (40125779)
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Keywords | 森鴎外 / ドイツ文学 / 演劇 / 西洋美術 / ジェンダー / 椋鳥通信 / 文化交流 / 翻訳文学 |
Research Abstract |
1『椋鳥通信』索引目録、データベースの作成 ・研究代表者金子は『椋鳥通信』の索引目録を作成し、日露戦後の日本文学への影響の全体像が把握できるようにデータベースを作成した。 ・人名索引・作品索引を完成することができ、項目数が約六千項目以上あることが明らかになった。これまでの調査で足りなかったベルリナーターゲブラットの調査を行い、『椋鳥通信』の原典となっていることを究明することができた。 2文献資料の収集・整理・『椋鳥通信』本文内容の解明 ・『椋鳥通信』の内容分析のため日独双方の文献資料を調査し、日露戦後の近代劇の興隆や西欧文学の受容、西洋美術の影響について実態調査を行い、鴎外の創作との連関について究明した。 ・分析にあたっては、特に日露戦後の女性解放運動や女性文芸誌への影響について、当時の女性解放運動や女性雑誌との関係を解明するためにジェンダーの視点から検討を加えた。 ・大逆事件をはじめ発禁など言論統制が強められていた日本の社会状況に対する抵抗としての『椋鳥通信』おける戦略的意義を明らかにすることができた。 3成果発表-データベースの活用に向けた国際シンポジウムの開催と報告集などの刊行 ・演劇・文学・美術の総合的視点から実証的に解明するための研究作業のまとめを行い、日本近代文学会北陸支部大会のシンポジウムで研究発表を行った。 ・研究成果は『椋鳥通信』索引集・項目集を報告書にまとめ、関連する研究者や研究機関に配布した。 ・海外共同研究者のコペンハーゲン大学教授長島要一を招聘し、データベースを活用した国際シンポジウムを開催し、研究成果を広く国内外に発信・公開した。 ・これまでの研究成果として研究代表者の金子幸代は『鴎外と近代劇』(大東出版社)を2011年3月末に出版した。
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