2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20320040
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐藤 道生 Keio University, 文学部, 教授 (60215853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住吉 朋彦 慶應義塾大学, 斯道文庫, 准教授 (80327668)
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Keywords | 書誌学 / 漢籍 / 日本漢学 / 文献学 |
Research Abstract |
本研究は、日本漢籍(日本で用いられた漢籍の意。日本で書写或いは刊行された漢籍(日本人の著作を含む)及び中国・朝鮮で書写或いは刊行された漢籍で日本に将来されたものを総称して言う)の中で明治期以降に海外に流出し、現在も海外に所蔵されるものを網羅的に調査し、1、所蔵機関ごとにその目録を作成し、2、書籍一点ごとに書誌情報を示し、3、善本と考えられるものについては詳細な解題を付することを目的とする。今年度調査を行なった日本漢籍所蔵機関は、米国・シカゴ大学東アジア図書館、同国・ニューベリー図書館、同国・フィールド博物館図書室、同国・カリフォルニア大学バークレイ校東アジア図書館、イギリス・大英図書館、中国・中国国家図書館などである。 シカゴ大学東アジア図書館、ニューベリー図書館、フィールド博物館にはベルトルド・ラウファーが1910年代に中国及び日本で蒐集した書籍が所蔵されている。その中に少数ではあるが、日本漢籍の善本が見出された。ラウファー旧蔵書については次年度までに調査を終える予定である。カリフォルニア大学バークレイ校は三井文庫(三井北家の蔵書)を収蔵する他、漢籍では今関天彭(明治期の漢詩人)、賀光中(シンガポール大学中文系教授)、薄井恭一(近年の蔵書家)の旧蔵書を擁することで知られる。今年度は上海図書館の調査団が作成した『中文善本書志』に従って調査を行なったが、極めて質の高い日本漢籍の収蔵が確認された。次年度以降も継続して調査を行なう予定である。 大英図書館所蔵の日本漢籍については、今年度は五山版、春日版に絞って調査を行なった。中国国家図書館所蔵のものについては、今年度は図書館備え付けの目録カードの記載を手懸かりに書目をリストアップし、その中の数点の調査を行なった。本格的な調査は次年度以降に行なうこととする。
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