2009 Fiscal Year Annual Research Report
和刻本漢籍再評価のための綜合的研究―底本解明を目的として―
Project/Area Number |
20320043
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
山崎 誠 National Institute of Japanese Literature, 文学資源研究系, 教授 (70094696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陳 捷 国文学研究資料館, アーカイブズ研究系, 准教授 (40318580)
入口 敦志 国文学研究資料館, 文学資源研究系, 助教 (80243872)
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Keywords | 和刻本 / 漢籍 / 底本 / 明代版本 / 朝鮮刊本 |
Research Abstract |
和刻本の底本の解明へ向けての四つの研究課題a日本漢籍史上からみた和刻本の価値の解明(研究代表者山崎誠担当)、b序跋の集成と分析を通じた日本国内の出版事情・出版環境(出版機構・書林・地方書肆研究を含む)の解明(研究分担者入口敦志担当)、c和刻本出版の東アジアに於ける比較思想史・比較文学史的研究(研究代表者山崎誠担当)、d和刻本をめぐる日中韓越欧の書物交流史の研究(研究分担者陳捷担当)は、それぞれに進展することができた。 研究代表者は、16~17世紀の輸入幼学(蒙学)書の研究(山崎)「中日韓越の下層社会に於ける蒙学書の諸相とその役割」を進め、「明心宝鑑」について、その成果を一部公表した。鎌倉・室町以後における中国・朝鮮刊本の将来と受容(陳)「イエズス会宣教師との比較を視座とした哲学書の出版を中心に」ついても資料調査を確実に進展させ、図入り版本の受容と変容(入口)「『帝鑑図説』など図入り本の中日韓の諸本の挿絵の図像学的、書誌学的比較研究」については著書に向けて展開しつつある。 共同研究計画については、国文学研究資料館のプロジェクト発表会で入口が中間報告をおこなった。陳・入口は琉球列島の漢籍調査を実施した。国際フィールド調査と情報集積は、内外の研究グループの和刻本研究の現状報告と研究報告を行い、和刻本と明版と諸国版との関係性について、意見交換を行い、問題点について討論する機会を得た。本研究と密接な関係のある国文学研究資料館共同研究プロジェクトは最終年度報告として成果報告書『和刻本(五山版・近世初期刊本)の研究』を同じメンバーで刊行した。
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Research Products
(3 results)