2011 Fiscal Year Annual Research Report
和刻本漢籍再評価のための綜合的研究―底本解明を目的として―
Project/Area Number |
20320043
|
Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
山崎 誠 国文学研究資料館, 研究部, 教授 (70094696)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陳 捷 国文学研究資料館, 研究部, 准教授 (40318580)
入口 敦志 国文学研究資料館, 研究部, 助教 (80243872)
|
Keywords | 和刻本 / 漢籍 / 底本 / 明代版本 / 朝鮮刊本 |
Research Abstract |
1.以下の三つの具体的研究対象に即して、各和刻本漢籍の底本はどのようなテキストであるのか、異本が存在する場合、そのテキストの系譜はどのようなものなのか、それらのテキストは現存するかどうか、など徹底した伝本の調査を通して、和刻本漢籍の文献学上の価値・特徴を明らかにするための情報収集と分析を行った。出版された和刻本漢籍が日本文化に与えた影響を、具体的な事例を通して緻密に分析した。同時に東アジア各国の研究情報の徹底的な追尾と集約を図った。 2.共同研究計画 共同研究会を開き、個別研究の知識を深め、研究方法について全体討議と相互批評を行った。更に本研究計画は重要な柱として、中国や韓国、ベトナムの古典籍研究に資すると思われる我が国の和刻本及び漢籍の情報(画像や所在情報)についても、積極的に提供して、国文学研究資料館として互恵的研究態勢の構築に努めた。 3.国際フィールド調査と情報集積 北京大学図書館、中国国家中央図書館、上海図書館、上海復旦大学図書館、南京大学図書館の和刻本朝本・越南本調査の、和刻本と明版と諸国版との関係性について、国際集会で意見交換を行い、問題点について討論した。国際協力による明版の書誌調査法の確立とデータの格納法の改善に於いて、協力者の支援のもとに、国際共同フィールド調査を踏まえた書誌調査のためのマニュアルと、目録化のためのマニュアル標準目録規則をほぼ完成することができた。国際標準となることには、更に多角的な批判を経なければならない。 4.研究成果について成果報告書『和漢之間』(仮称)を作成する予定である。
|
Research Products
(3 results)