2009 Fiscal Year Annual Research Report
1950年代英文学の再歴史化をめざして――帝国・モダニズムの遺産と階級・メディア
Project/Area Number |
20320045
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
武藤 浩史 Keio University, 法学部, 教授 (40229935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大貫 隆史 釧路公立大学, 経済学部, 准教授 (40404800)
河野 真太郎 一橋大学, 大学院・商学研究科, 講師 (30411101)
佐藤 元状 慶應義塾大学, 法学部, 准教授 (50433735)
秦 邦生 津田塾大学, 学芸学部, 専任講師 (00459306)
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Keywords | イギリス / 帝国 / 1950年代 / モダニズム / メディア |
Research Abstract |
本研究は、第二次世界大戦から現代に至る歴史的変化の分水嶺にあたる1950年代に焦点をあて、20世紀後半のイギリス文化のダイナミクスを総合的に把握することを目的とする。平成21年度は、平成20年度に引き続き、基礎的な資料の収集・読解・整理に集中した。一次資料の調査のため、河野はウェールズのパンディおよびスウォンジー大学に、佐藤はBritish Film Instituteに、秦はブリストル大学のペンギン・コレクション、National Archives of the United Kingdom、The Workers'Educational Association Archiveに滞在し、批評、映画、教育、出版に関する調査を行った。調査結果は、研究代表者、研究分担者を中心とする研究会において、集団的な検討に付し、研究プロジェクトの方向性について活発な議論を行った。平成21年度の研究会は、慶應義塾大学の三田キャンパスにおいて計5回(6月、7月、9月、11月、12月)開催し、食、音楽、スポーツ、文学、演劇、映画、批評、教育、福祉、出版、政治、経済にいたるまで、戦後イギリス文化の諸相について理解を深めた。 研究成果は、個別の論文や口頭発表として公表されると同時に、文化史教科書『愛と戦いのイギリス文化史1950-2000』(慶應義塾大学出版会)にまとめていく。同書の編集においては、日本女子大学の川端康雄氏の協力を得て、編集作業を開始している。また大貫、河野、佐藤、秦は、日本英文学会第82回大会にてシンポジウムを行い、本研究の成果を公表する。20世紀後半のイギリス文化史教科書は研究としても画期的であり、この分野の先駆的な仕事となる。また1950年代に焦点をあてたシンポジウムも革新的な試みであり、戦後の研究の活性化に貢献できる。
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Research Products
(4 results)