2011 Fiscal Year Annual Research Report
ペルシア語説教テクストのデータ解析による神秘主義的表現世界の基礎研究
Project/Area Number |
20320053
|
Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
藤井 守男 東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院, 教授 (90143619)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 あや乃 東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院, 准教授 (60272613)
|
Keywords | 外国文学 / ペルシア文学 / イスラム神秘主義 / ペルシア語説教テクスト / ペルシア語データベース / ペルシア神秘主義文学 / ペルシア語神秘主義テクスト |
Research Abstract |
23年度本研究は、以下の作業を実施した。 1.本研究が当初達成目標としたペルシア語説教テクスト(『精霊の安らぎRawh al-arwah、『マアーレフMa'aref』)とペルシア語神秘主義注釈書『神秘の開示Kashf al-asar』(第三部)、を総合した「神秘主義テクスト文例対比データベース」の運用のためのシステムを構築し、各テクストの検索機能にかかわる試運転を行った上で、23年度内にデータベースを公開した。(http://irfan-lit.tufs.ac.jp/)これにより、従来から、同一の文言などの類似する点が指摘され、学説史的に課題となってきたペルシア語テクスト『神秘の開示:第三部』と『精霊の安らぎ』のすべての言語データの対比が可能となり、ペルシア語説教・神秘主義テクストの言語表現の分析を土台とする実証的な考察のあらたな研究の地平が開かれた。 2.データベースの開発による当該研究分野における成果の確認と普及のため、ペルシア語神秘主義テクスト研究の世界的権威、人文研究所教授のプールナームダーリヤーン教授、近年、神秘主義テクストの校訂作業が注目されるイスファハーン大学文学部よりミールバーゲリーファルド教授をイランから招き、シンポジウム"Creating Database for Mystical Persian Texts"を開催し(2012年12月10日、11日)、「ペルシア語神秘主義文例対比データベース」を活用したテクストの分析を行うとともに、今後のペルシア語神秘主義テクスト研究の学術的将来について意見交換をした。『神秘の開示:第三部』と『精霊の安らぎ』の文例の対比を例として、本研究の成果発表を行い、イランの国内の当該研究の現状を踏まえ、本研究の学術的意義を確認した。 3.ペルシア語説教テクストと神秘主義とに関わる研究の今後の展開を踏まえ、13世紀半ばの著作『下僕たちの大道Mersad al-'ebadの入力を開始し、言語データの入力に備えたシステム構築のための検討を進めた。
|
Research Products
(5 results)