2008 Fiscal Year Annual Research Report
『母語話者視点』に基づく解放的語用論の展開:諸言語の談話データの分析を通じて
Project/Area Number |
20320064
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
藤井 洋子 Japan Women's University, 文学部, 教授 (30157771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 圭子 共立女子大学, 国際学部, 教授 (90231951)
片岡 邦好 愛知大学, 文学部, 教授 (20319172)
片桐 恭弘 公立はこだて未来大学, システム科学技術学部, 教授 (60374097)
堀江 薫 東北大学, 高等教育開発推進センター, 教授 (70181526)
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Keywords | 解放的語用論 / 母語話者視点 / Mr.O コーパス / 場の理論 / インターアクション / わきまえ / アラビア語データ / 西洋理論と非西洋理論 |
Research Abstract |
平成20年度の主な活動は、1)リビアのセバ大学でのアラビア語のデータ収集(10月11日-18日)とその記述・分析に着手したこと、2)国際学術雑誌Journal of Pragmaticsにて「解放的語用論」の特集号を出版し、9編の論文を掲載したこと、3)第3回解放的語用論に関するワークショップ(The 3rd Tokyo International Workshop of Emancipatory Pragmatics)を開催したこと(於:日本女子大学)が挙げられる。その他にも、学会におけるワークショップでの発表2回(2008 Sociolinguistic Symposium 17(4月:アムステルダム)、日本認知言語学会(9月:名古屋大学))、日本女子大学での学術交流シンポジウム開催(5月)などの活動を行った。アラビア語の映像データ収集は、これまで収集した日本語、英語、韓国語データに新たに加えられたものである。これは本研究の主要な目的の一つである西欧理論ではカバーできない現象を抽出し、母語話者視点から言語・文化を分析するということをさらに追究した重要な活動である。この成果は、2009年3月に開催したTokyo International Workshopにて中間報告として発表し、公的発表の第一歩を踏み出すことができた。また、Journal of Pragmaticsで「解放的語用論」の特集号として9編の論文を掲載できたことは、本研究プロジェクトの成果を論文として初めて世界に向けて発信できたことになる。2009年3月のワークショップで、各研究者の研究発表の他に清水博氏による「場」の理論の講演、リビアの専門家による文化・言語・思想についての講演を行ったことは、各研究者にとって新しく視野を広げるための重要な礎となり、今後、本プロジェクトが世界に発信していく方向性を探求するために有意義なものとなった。
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Research Products
(28 results)