2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20320067
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Research Institution | Otani Womens University |
Principal Investigator |
宇都宮 啓吾 大阪大谷大学, 文学部, 教授 (40257902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 秀人 高知大学, 教育研究部・人文社会科学系, 教授 (30200835)
山本 真吾 白百合女子大学, 文学部, 教授 (70210531)
苫米地 誠一 大正大学, 仏教学部, 准教授 (00340456)
赤尾 栄慶 京都国立博物館, 学芸課, 上席研究員 (20175764)
羽田 聡 京都国立博物館, 学芸課企画室, 研究員 (30342968)
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Keywords | 智積院 / 根来寺 / 訓点資料 / 聖教 / 家原寺 |
Research Abstract |
第一に、新義真言宗智山派総本山智積院の聖教を対象とした悉皆調査とデータ公開、また、その成果を踏まえた諸宗交流の実態解明の為にデータベースの構築を目指した。本科研申請の段階では全六十函の悉皆調査を行なうことを目的として、その目録化を目指したが、調査の段階で新たに二〇〇〇点の聖教群が確認され、その中には、重要文化財に指定され、中世に於ける『白氏文集』受容の重要な資料とされる内閣文庫蔵『管見抄』の僚巻(断簡)が発見されるなど、本科研の推進、新文庫聖教の全貌解明に、これら二〇〇〇点の整理・調査の必要が必須との認識を得るに至った。 そのため、悉皆調査自体については、六十函のうち、人割の四十人函の完了、入力・目録化は七割の四十二函となったが、新出二〇〇〇点の所在確認作業については全てを完了し、本科研の最大の目標とする新文庫聖教の概要と全体像の把握については成し得た。そして、秘庫たる新文庫聖教について、略目録の形ながら、その公開が叶い、また、真言宗智山派においても、この度の調査成果に基づいて、詳細な書誌データを含む聖教目録の公開を今後三年を目途に順次公表される計画が検討されている。(このような事情によって、本科研では、略目録の形での公開を行なっている。)また、このような事情であるため、本研究に基づく調査の完了と詳細目録の公開後に、研究者への調査の公開も検討されるとの由である。まさに、本科研の成果が、研究者と所蔵者との連携によって、社会への大きな還元の機会を得ることが叶ったと言える。
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