2009 Fiscal Year Annual Research Report
言語知識とその獲得・史的変化・運用機構を説明する言語機能モデルの構築
Project/Area Number |
20320070
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大津 由紀雄 Keio University, 言語文化研究所, 教授 (80100410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今西 典子 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (70111739)
杉崎 鉱司 三重大学, 人文学部, 准教授 (60362331)
磯部 美和 東京藝術大学, 言語・音声・トレーニングセンター, 助教 (00449018)
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Keywords | 生成文法 / 言語機能 / 言語獲得 / 言語運用 / 史的変化 |
Research Abstract |
(1)全体会議で、これまでの研究成果について自己評価を行い、本研究の構想、研究の進め方などについて協議した。 (2)Sluicing, VP Ellipsis, Null Complement Anaphora, DP-internal Ellipsis、Gapping等 音形を欠く現象に関して、残存要素の形態統語特性や無形部分が担う意味特性にみられる言語間変異を明らかにし、統語構造と意味の対応の問題を検討した。 (3)言語の異なり方を定めた生得的制約(「パラメータ」)の存在に関して、日本語・英語・スペイン語の獲得過程からの新たな証拠を提示した。具体的現象としては、日本語における格助詞交替・日本語における項削除・英語における内包的他動詞(wantとneed)、英語およびスペイン語におけるwh疑問文に対する答えなどの獲得過程を取り上げ、実験調査及び自然発話分析を通して、その獲得過程を詳細に分析した。 (4)日本語を母語とする幼児の、かきまぜの理解と韻律情報の利用の関連を調査するために、3-5歳児に予備実験を行った。その後実験結果を分析し、言語材料、提示順、提示方法を再検討した。生成文法と認知言語学について、とくに言語獲得の視点から、その研究姿勢の違いについて検討した。 (5)ミニマリズムの視点が言語獲得および言語変化に関する研究にどのような影響を与えるのかについて検討した。 (6)2から5の研究成果を統合された枠組みの中でどのように位置付けるかについて検討した。 (7)全体会議で来年度の課題について検討した。
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