2008 Fiscal Year Annual Research Report
日本人英語学習者の文法能力発達段階の解明および文法指導に関する第二言語習得研究
Project/Area Number |
20320083
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
村野井 仁 Tohoku Gakuin University, 文学部, 教授 (20275598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白畑 知彦 静岡大学, 教育学部, 教授 (50206299)
若林 茂則 中央大学, 文学部, 教授 (80291962)
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Keywords | 応用言語学 / 第二言語習得 / 文法発達段階 / 英語教育学 / 言語テスト / 英文法 / 習得順序 / 文法指導 |
Research Abstract |
本研究の目的は、日本人英語学習者の英語文法能力がどのような段階を踏んで発達するのかを記述・分析し、なぜそのような発達段階が現れるのかを第二言語習得研究の知見によって説明することである。さらに、実証的に明らかにされた文法能力発達段階がどのような外的要因(文法指導を含む)によって促進されるかを調査することも本研究の目的となっている。平成20年度は、文法習得に関する第二言語習得研究を網羅的に検討することによって研究の土台作りを行った。特に普遍文法モデルに基づく第二言語習得研究および認知モデルに基づく第二言語習得研究における文法習得に関する先行研究を精査することができた。さらに平成20年度には、日本人英語学習者の文法能力発達段階を調査する予備実験を実施した。日本人英語学習者が教室環境で学習する36の文法項目を選定し、それらの文法項目がどのような順序で習得されるのかを2つの実験を行って実証的に調査した。実験1では、文法習得順序を独自に開発した談話完成型の筆記文法テストを用いて、大学生を被験者としてデータを集め、発達段階の分析を行った。実験2では談話完成型の文法テストを口頭で実施する方法を開発し、大学生を被験者として発話データを集めた。データは現在分析中であるが、どちらの実験においても一定の習得順序が見られている。なぜこのような順序で習得されるのかを考察する際に、第二言語習得研究がこれまでに明らかにしてきた知見がきわめて有効に働くことも分析の過程で判明した。文法指導の効果についての予備的実験も実施し、文法習得を促す上で効果的な指導方法を構築するという、最終的な目標を実現するための基礎データを得ることができた。
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