2009 Fiscal Year Annual Research Report
日本人英語学習者の文法能力発達段階の解明および文法指導に関する第二言語習得研究
Project/Area Number |
20320083
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
村野井 仁 Tohoku Gakuin University, 文学部, 教授 (20275598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白畑 知彦 静岡大学, 教育学部, 教授 (50206299)
若林 茂則 中央大学, 文学部, 教授 (80291962)
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Keywords | 第二言語習得研究 / 文法習得 / 発達段階 / 日本人英語学習者 / 文法テスト / 文法指導 / 応用言語学 / 談話完成テスト |
Research Abstract |
本研究は日本人英語学習者の文法発達段階の解明と発達段階に即した効果的な文法指導の構築およびその効果測定を目的としている。 平成21年度には、前年度に得られた日本人英語学習者の文法能力発達段階を調べる実験によって得られた第二言語データを精緻に記述・分析することを第1の目標とした。筆記型の談話完成テストによって得られた36の文法項目に関する発達段階を分析し、日本人英語学習者が教室環境で学習する主な文法項目に関して、一定の発達段階があることを明らかにした。さらに平成21年度には、口頭型の談話完成テストによって得られた音声データの分析も一部行うことができた。平成21年度中に分析は終了しなかったが、口頭データに関しても、筆記テストデータと同様に一定の発達段階が認められている。 平成21年度には、文法指導の効果研究についても実験データの分析を進めることができた。意味重視指導、文法重視指導、文法意味統合指導の3つの異なる文法指導が、補文標識および完了受動態などの複数の文法項目の習得に及ぼす効果の違いについて分析を進めた。事前・事後テストによって得られたデータを用いて、3つの指導が日本英語学習者の文法習得に及ぼした効果について質的・量的分析を進めている。 平成20年度と平成21年度においては、文法習得を中心とした第二言語習得研究の包括的な文献研究を行うことを計画していた。これはほぼ予定通りに進み、先行研究、背景理論の十分な調査を行うことができた。この研究成果は研究代表者および研究分担者3名の共著で第二言語習得研究の主な研究を概観した単行本として公開することになっている。その原稿は平成21年度中に完成しており、平成22年度夏に研究社から出版される予定である。
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