2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20320092
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山田 賢 千葉大学, 文学部, 教授 (90230482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 浩 千葉大学, 文学部, 教授 (40114219)
岩城 高広 千葉大学, 文学部, 准教授 (90312925)
久留島 浩 国立歴史民俗博物館, 研究部歴史研究系, 教授 (30161772)
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Keywords | 比較史 / 国民国家 / 北東アジア / 近代移行期 / 秩序構想 / ナショナリズム / 国際情報交換 / 中国 |
Research Abstract |
本研究の第1の目的は、中国大陸・朝鮮半島・日本列島を包摂する北東アジア諸地域を中心的な対象に据えつつ、近代移行期においてそれぞれの社会のうちに胚胎された多様な秩序構想と、そのせめぎ合その果てに「国民国家」とナショナリズムが生成されていく過程を、比較史的に検討することにある。すなわち、本研究は、「国民国家」とンショナリズムという近代の枠組みを、単に外在的な所与と考えるのではなく、近代移行期の基層社会の内側から育まれた秩序構想を汲み上げつつ成立した「生成」の観点から捉えることを目指してそる。本年度はこの目的に沿って、「生成」の原点である北東アジア諸地域における近世社会の検討を集中的に行った。具体的には、北東アジア各地域(中国大陸・朝鮮半島・日本列島)におけめ近世の社会変容、ならびにその近代への継承と展開を、身分、家族、任意的社会集団、相互認識などの観点から比較史的に検討する作業を行った。研究代表者が、平成22年度に発表した業績(「東アジアの近世-清代中国秘密結社について-」、「中国の「士」と「民」」、「辛亥革命と「アジア主義」」等)は、いずれも日本近世・近代史研究者との共同研究、討議を通して、北東アジアの近世を比較史の観点から論じたものであり、本研究の目的達成に向けて重要な意義を持つ。また、比較史的検討の前提となる基礎史料の継続的な収集と分析についても、日本近世文書かかわる史料調査、中国近世・近代民間信仰史料の収集と電子化などの作業を着実に継続することができた。
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Research Products
(13 results)