2010 Fiscal Year Annual Research Report
交易と交流の深化と断絶過程からみた、津軽海峡を挟む古代北方世界の実態的研究
Project/Area Number |
20320108
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
小口 雅史 法政大学, 文学部, 教授 (00177198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 公男 東北学院大学, 文学部, 教授 (70153343)
天野 哲也 北海道大学, 総合博物館, 教授 (90125279)
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Keywords | 北方交流 / 津軽海峡 / 続縄文土器の交流 / 擦文土器の交流 / 外来系土器 / 移民の実態 / 渡嶋世界 |
Research Abstract |
1.交易関係史料悉皆調査…文献グループで実施してきた、北方交流関係物産史料の総めくりについては基本対象典籍49点すべてを終了した。その後の新刊史料集についても終了した。重要未刊史料についても昨年収集した写真版による総めくりを完成した。それらをエクセルファイルに統合し、共同研究のためのスタンドアロン版北方物産交流データベースに仕上げた。近い将来、WEB公開できるように、書式統一整備を進めた。 2.土器を素材とする交流の解明…土器グループでは当該期の津軽海峡を挟む交流を具体的に示すものとして続縄文及び擦文土器を取り上げてきた。共同研究者による北海道と北東北の土器比較はほぼ終了した。本年度はそのうち北海道と青森県について、画像付のデータベース化を進めファイルメーカーによるスタンドアロン版ファイルを完成させた。北海道については、1報告書を1件として作業したが、最後まで残っていた道東部地域のデータと、他の地域の補遺作業を進めた。青森県については、報告書のみならず論文類をも悉皆調査して完成させた。これも近い将来WEB上で公開できるように細部統一をした。 3.最終総括研究会…盛岡において「シンポジウム:海峡をはさむ土器と文化の交流」を一般公開で実施した。 文献班では秋田城下の蝦夷と津軽・渡嶋の蝦夷の比較について報告した。考古班では、古代北日本の地域間交流を中心に、人や物の動きをどのようにとらえて、そこから何を読み取るかについて、北東北三県・北海道内各地に考察の視点を定めて、地域間比較をも考慮しながらの報告とした。結果として相互に大きな文化的影響を与える過程の詳細を明らかにすることができた。この報告を再構成して、市販本として公表する準備に入っている。
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Research Products
(11 results)