2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20320109
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮宅 潔 Kyoto University, 人文科学研究所, 准教授 (80333219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 達郎 関西学院大学, 文学部, 教授 (30340623)
佐川 英治 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (00343286)
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Keywords | 中国古代 / 軍事制度 / 出土資料 / 官制 / 法制 |
Research Abstract |
本研究は(1)新出史料に見える軍制関係記事の整理と分析(2)秦漢〜隋唐時代における軍事制度の総合的検討、という二つの柱から成る。 本年度、前者に関しては主として居延旧簡を対象にして軍制関連記事の抽出を進め、内容を検討しながら、採録すべき資料の抽出を終えた。 後者に関しては、研究計画全体のなかで本年度を共同研究者/海外研究協力者間の共通認識を形成する段階と位置づけ、相互に意見交換を行った。とりわけ8月に行った全体会議には、韓国・米国の研究協力者からも各国の研究状況についての報告が寄せられ、それを含めて議論を行った。総じていえば、日本・韓国の兵制研究は徭役制度、あるいは官僚制度研究の一環として進められており、それが軍事に係わるものであることへの認識が希薄であり、同じ傾向は中国での研究にも認められる一方で、欧米の中国史研究においては、軍事制度を正面から扱ったものが多く、たとえば戦争や暴力の存在形態を手がかりにして、社会構造や王権が持つ性格の変化を解き明かす、いわば軍事を一つの軸として政治制度や社会構造を分析した業績が挙げられている。こうした相違を互いに踏まえつつ、(1)皇帝権力、ないしは中央政府の政権構造の中に潜む軍事的性格をより意識する必要性、及び(2)軍事を負担する者に対して与えられる社会的地位の、通時代的変化を模索する必要性が共通認識として得られた。
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Research Products
(3 results)