2011 Fiscal Year Annual Research Report
18・19世紀の北大西洋海域における文化空間の解体と再生―「境界域」の視点から―
Project/Area Number |
20320120
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
田中 きく代 関西学院大学, 文学部, 教授 (80207084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿河 雄二郎 関西学院大学, 文学部, 教授 (80030188)
田和 正孝 関西学院大学, 文学部, 教授 (30217210)
佐保 吉一 東海大学, 文学部, 教授 (00265109)
金澤 周作 京都大学, 文学研究科, 准教授 (70337757)
横山 良 甲南大学, 文学部, 教授 (30127873)
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Keywords | 北大西洋海域 / 文化空間 / 境界域 / 学際的 / 外来者 / 祝祭儀礼 / 海洋空間の社会的構築 / 集団記憶 |
Research Abstract |
本研究は、18・19世紀に北大西洋に出現するワールドの構造に、文化的次元から、しかも地域コミュニティのレベルから切りこむものである。具体的には北大西洋海域の両岸の海岸部あるいは近辺の地域での共同体の解体と再編、それに付随する共同体意識の変遷を、文化人類学の研究者と協力して、歴史学の立場から実証的に跡付けるものである。大西洋海域における古い共同体が解体され、ヴァナキュラーな共同体意識が崩れていく過程、また自立的に再編され新しい共通意識が創造される過程を、大西洋岸の両岸で検証するものである。特に、儀礼や祝祭ならびに慣習に見られる共通の歴史的記憶の創出に注目する。 本年度は、研究組織構成員である研究代表者、研究分担者、連携研究者、研究協力者により、1回の研究打ち合わせ会、3回の研究会、1回の国際海洋シンポジウムを開催した。最終年度であるので、研究会では、それぞれの研究成果の報告を行った。また、北大西洋をクロスし、より有機的に北大西洋海域史を把握するために、外部のイギリスの海洋交易史の研究者から報告も受けた。こうした成果の概要は、科学研究費補助金プロジェクト報告書にまとめ、3月末に刊行する。さらに、国際海洋シンポジウムでは、研究成果を公開するために、多くの研究組織外の研究者を招いた。パネリストには、フランスとカリブ海からの研究者、日本のアメリカ史研究者を招聘し、主として海洋ネットワークに関する報告を受けた。韓国からの地中海海域の研究者に大西洋と接続する報告も受けた。研究組織の構成員はコメンテイターの役割を果たし、パネリスト、フロアとの相互理解に努めた。このシンポジウムの概要も、報告書としてまとめられて、3月末に刊行される。
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Research Products
(6 results)