2012 Fiscal Year Annual Research Report
縄文・弥生社会の人口シミュレーションと文化変化モデルの構築
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20320123
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松本 直子 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (30314660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津村 宏臣 同志社大学, 文化情報学部, 准教授 (40376934)
松木 武彦 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (50238995)
安藤 広道 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (80311158)
笹倉 万里子 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (30284087)
山口 雄治 徳島大学, 学内共同利用施設等, 助教 (00632796)
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Project Period (FY) |
2008-04-08 – 2014-03-31
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Keywords | 人口動態 / 縄文時代 / 弥生時代 / シミュレーション / 形態分析 / 遺跡データベース |
Research Abstract |
遺跡データベースと分析:GIS分析に向けて山陰地域を中心にデータベースを整備し、鳥取県井後草里遺跡の発掘調査によって遺跡動態および古環境復元に関するデータを得、報告書として発表した(松本)。岡山県南部の弥生時代から古墳時代にかけての住居跡のデータベースは完成し、それに基づく研究成果を発表(松木)。鶴見川流域一帯の弥生時代集落遺跡と甲府盆地~諏訪湖地域の縄文時代後期~弥生時代の集落遺跡のデータベースの整理も進み、継続的集落にみられる出土土器量の時期的偏在現象に着目して集落遺跡の時期的変遷を明らかにするための方法の検討を行った(安藤)。 土器の形態分析:形状の輪郭線を数学的に記述する方法(楕円フーリエ関数)によって津島岡大遺跡出土縄文時代後期土器群の土器形状を定量的に記述し、その記述子の統計解析により形状の類似度の析出と評価を行うことを目的とし、津島岡大遺跡17・22次調査出土縄文時代後期前葉土器資料のデータ化を行い、土器型式の主要器種である深鉢、鉢、浅鉢の3器種を対象として、器種・文様と土器口縁部断面形状との構造的関係性について評価することを試みた。後期前葉土器群に対して、口縁部の形状特性が①深鉢における文様の有無と相関、②浅鉢/深鉢という器種間との相関のあることを評価できた(津村・山口)。 人口シミュレーション:2011年度に作成した基礎的な人口シミュレーション・プログラムに、遺伝情報の伝達機能および文化的情報の伝達機能を追加した(笹倉・松本)。また、シミュレーションの結果を視覚的に表示する方法として、地域間の人の移動をアニメーションで見せる際に、直前にいた地域または生まれた地域ごとにまとめて表示する方法と、親戚関係にいるものがどの地域にいるかを表示する方法を提案し、学会で報告した(笹倉)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究期間中2度(合計1年半)にわたる育児休業による研究の中断があったため、予定通りに進められていない部分があり、GIS分析と個々の研究を統合してモデルを構築する作業がやや遅れている。しかし、シミュレーションについては、新しく笹倉万里子を研究分担者に加えたことで、プログラムの構築と改良を順調に進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
シミュレーション研究によって得られるパラメータ間の関係についての洞察を踏まえ、遺跡データベースに基づいてポピュレイションと文化動態の関係についてのモデル化を検討する。遺跡データベースから人口動態を推定するための方法論検討の集団として、GISによる遺跡立地予測等の分析を行う。最終年度となるため、個別の研究成果を統合してモデル化に向けての作業を重点的に行う必要がある。そのために、研究分担者間のディスカッションを活発に行う。
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Research Products
(8 results)