2010 Fiscal Year Annual Research Report
紛争解決類型の比較史-前近代における社会的調整のありかた-
Project/Area Number |
20330003
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
北野 かほる 駒澤大学, 法学部, 教授 (90153105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 正樹 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (20206931)
西村 安博 同志社大学, 法学部, 教授 (90274414)
佐藤 猛 秋田大学, 教育文化学部, 講師 (30512769)
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Keywords | 紛争 / 解決 / 法 / 手続 / 裁判 / 仲裁 / 和解(和与) / 既判力 |
Research Abstract |
紛争と解決のかかわりについて、現象を類型的に捉えるための視点として、以下が有効であることを確認した。(1)紛争解決の機構の内部で稼働する手続と基準(紛争解決のソフトウェア)および、紛争解決の環境としての解決機構(紛争解決のハードウェア)の関連性。(2)ハードウェアが「裁判」に一元化される以前の前近代社会で複数並存する解決機構のそれぞれの内部で稼働する手続。(3)狭義の法に収斂しきらない、紛争の環境の、紛争解決基準としての類型化。たとえば、当事者および解決関係者の社会的位置づけ(身分的脈絡and/or政治的脈絡)など。 これらの視点に立つ比較は事例分析の精度に比例して拡散的になる危険性があるが、地域・時代を越える共通の分析軸として、「紛争解決効確保のための公証力のかたちとその基盤」を据えることが可能である。具体的な比較の軸としては、紛争解決とりわけ裁判における「文書」の位置づけに注目することが特に有効である。 これらの視点と軸での比較研究には、法学系の研究者と歴史学系の研究者の、知識と手法の共有・相互補完が有効である。
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Research Products
(17 results)