2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20330007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡村 忠生 京都大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (30183768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 徹也 九州大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (10273393)
高橋 祐介 名古屋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (50304291)
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Project Period (FY) |
2008-04-08 – 2013-03-31
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Keywords | 資産 / 取得価額 / ヒューマン・キャピタル / 教育費 / 人的資本 / 課税時期 / 組織再編成 / 消費課税 |
Research Abstract |
研究の最終年度として、研究成果の取りまとめと、新たな発展の基礎となる課題へのアプローチを念頭に、これまでの年度に引き続いて、研究成果を発表しつつ、研究会を開催した(平成24年度に7回、研究期間5年を通じて42回)。また、外国調査(アメリカ合衆国ニューヨーク大学、ドイツ連邦共和国ミュンヘン大学およびマックス・プランク知的財産法・競争法・租税法研究所)を行った。 平成23年度までの研究に続いて、人に関して生じる資産化(human capital)を中心に、教育や技能習得に係るコスト(資格取得費など)、研究開発が生み出す成果、企業活動への権利利益(interests)、企業組織の再編成(株式移転など)、企業利益の国際的な移転(外国子会社配当)などに関する課税の検討を進めた。 この検討の中で浮かび上がった重要な問題のひとつは、人の能力獲得のためのコストと消費との区分、および、控除のタイミングである。従来、所得課税において、学校などにおける教育のコストは、自らのためであれば控除できず、被用者のためであれば控除可能な場合が多い。しかし、このことは、包括的所得概念からは、説明できない。検討を進めると、包括的所得概念は、消費に関する明確な定義を持っていないと思われる。このことは、消費税においても、仕入税額控除をめぐって問題となる。控除のタイミングについても、たとえば、人の資格取得費は、資格を獲得してからの得られる収益に対応するので、資産化が必要なはずである。消費課税でも、同様である。 以上から、所得獲得能力の向上のためのコストと消費との区分の明確化、および、控除のタイミングの調整のための具体的検討を行った。また、これらの問題は、消費課税においても生じることから、その研究が、今後の課題となる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(18 results)