2008 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおける「冊封・朝貢」の終焉とその記憶の形成過程
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20330031
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川島 真 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (90301861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茂木 敏夫 東京女子大学, 現代文化学部, 教授 (10239577)
岡本 隆司 京都府立大学, 文学部, 准教授 (70260742)
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Keywords | 冊封・朝貢 / 中華思想 / 条約と朝貢 / 伝統としての記憶の形成 / 中国の外交思想 / 中国の対外観 / 大国としての中国 / 中国の周辺外交 |
Research Abstract |
グローバル化と台頭する中国という二つの大きな変容要因に直面している東アジアの国際政治、国際関係を考えるで、東アシアに歴史的に内在したとされている伝統的国際秩序が、その存在の有無をふくめて注目され、重要な課題となっている。本研究では、冊封・朝貢などという語とともに用いられる中国を中心とする伝統的な国際秩序なるものが、存在の有無への問いも含めて、それが果たしてどのようなもので、どのように意識化されてきたのかということを、19世紀の後半から20世紀後半に至る長期的なスパンで解明することが、本科研の目的である。初年度は、研究代表者と研究分担者がおこなってきた、『中国近代外交の胎動』(岡本隆司、川島真編、東京大学出版会、2009年4月)の刊行へ向けての原稿の修正が中心的な活動となった。本書には、清と朝鮮の関係を扱った岡本の論考、また清の対外体制・思想の転換を扱った茂木論文、そして総理衙門から外務部への転換を扱った川島論文など、本科研の申請書の第一フェイズに掲げた課題に直接的にかかわる課題が含まれていた。日常的に会合や電子メイルで調整をおこない、本書は09年4月に無事刊行されることとなった。また、第一フェーズにかかわる研究として岡本は『世界のなかの日清韓関係史一交隣と属国、自主と独立一』(講談社選書メチエ420、2008年8月、全204頁)を刊行した。また、川島は「近代中国のアジア観と日本一『伝統的』対外関係との関連で」(高原明生ほか編『越境』<現代アジア研究1>(慶應義塾大学出版会、2008年、415-441頁)など、申請書の第二フェイズに即した課題に対応した成果を数点公刊した。だが、論文集の出版に集中したため旨ワークショップは延期されており、2009年度に台北で開催予定である。
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Research Products
(6 results)