2009 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおける「冊封・朝貢」の終焉とその記憶の形成過程
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20330031
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川島 真 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (90301861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茂木 敏夫 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (10239577)
岡本 隆司 京都府立大学, 文学部, 准教授 (70260742)
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Keywords | 冊封・朝貢 / 伝統の創造と記憶化 / 中国の大国化 / 中国のアジア外交 / 「中華思想」 / 中国のアジア主義 / 周辺外交 / 中国の対外観 |
Research Abstract |
2009年度は、4月に本科研の成果として岡本隆司・川島真編著『中国近代外交の胎動』(東京大学出版会、2009年)が公刊され、また本書の書評会を、中国外交史研究の世界的なセンターの一つである国立政治大学にて開催し、執筆者臨席の下で、主に東京大学および政治大学の大学院生が書評報告者となって活発な議論がおこなわれたことが第一の成果としてあげられる。また、第一回アジア世界史学会において川島真が本科研の主題と直接的に関わる、The Image of Asia in Modern China : Historiography of the Traditional Chinese 'World Order' (Session 12 : Empire in Modernity : A Comparative Perspectiveという報告をおこなった。このほか、国際シンポジウム「蒋介石と高田、そして日中ソ関係」を11月30日に上越国際大学で開催し、蒋介石の有していたアジア観などが議論された。このほか、研究成果として、主に冊封や朝貢をめぐる近代中国の記憶の形成を担当する川島真が、Shin Kawashima, China's Re-interpretatoin of the Chinese "World Order", 1900-40s, in Anthony Reid and Zheng Yangwen eds, Negotiating Asymmetry : China's Place in Asia, National University of Singapore Press, 2009, pp.139-158.を公刊し、19世紀後半の清朝と冊封を受けていた諸国の関係の実態研究を進める岡本隆司や茂木敏夫がそれぞれ実証研究を進め、成果を公刊している。
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Research Products
(6 results)