2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20330034
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
西谷 真規子 Kobe University, 国際協力研究科, 准教授 (30302657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉田 米行 大阪大学, 言語文化研究科, 教授 (00216318)
庄司 真理子 敬愛大学, 国際学部, 教授 (20192627)
宮脇 昇 立命館大学, 政策科学部, 准教授 (50289336)
足立 研幾 立命館大学, 国際関係学部, 准教授 (70361300)
高橋 良輔 佐賀大学, 文化教育学部, 講師 (70457456)
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Keywords | 政治学 / 国際規範 / 人道規範 / トランスナショナル |
Research Abstract |
研究初年度の本年度は、予定通り、基礎文献・基礎知識の共有、相互の仮説の提示および検証を行い、各自が分担内容についてのアウトラインを策定することを目指した。このために、3回の研究会と、日本政治学会大会での中間成果報告を行った。 政治学会では、宮脇、足立、西谷が報告を担当した。宮脇は、CSCEにおける人権規範形成の事例を用いて、トランスナショナル・アドボカシー・ネットワークの戦略として著名なブーメラン・モデルの限界を論じた。足立は、通常兵器規制・禁止条約レジームと対人地雷禁止レジームとの相互作用におけるNGOの役割を論じた。西谷は、人道規範の形成過程におけるNGOの役割を、ネットワーク、規範カスケード、評判政治のモデルによって理論的に論じた。学会報告後、第一回研究会として報告内容についてメンバー間で討論を行い、規範がどのような過程を経て形成・普及・競合するのか、また、その過程においてNGOはどのような役割を果たすかについて基本的な認識を共有した。 12月に行われた研究会では庄司と大賀が報告した。庄司は国連グローバル・コンパクトについて報告し、企 業の社会的責任という規範が国際的にどのように制度化されてきているのかを論じた。大賀は、アジアにおける人権規範と主権規範との競合・複合化状況を、アジア地域主義の文脈で論じた。 3月に行われた研究会では杉田と高橋が報告した。杉田は冷戦後アメリカの東アジア政策の歴史を概観し、アメリカの対外政策の基調をなす対外政策規範について論じた。高橋はハーバーマスの公共圏概念について検討した上で、NGO外務省定期協議会を事例としてトランスナショナル公共圏の可能性を探った。 以上のように、本年度は、国際規範が形成される過程と競合および相互作用関係について、グローバル・レベルと地域(ヨーロッパ、アジア、アメリカ)レベルの両面から知識の共有を図った。
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Research Products
(24 results)