2008 Fiscal Year Annual Research Report
新経済地理学に基づいた、規模縮小時代の都市・地域政策の研究
Project/Area Number |
20330045
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 孝明 The University of Tokyo, 空間情報科学研究センター, 教授 (30262091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金本 良嗣 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (00134198)
田渕 隆俊 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (70133014)
河端 瑞貴 東京大学, 空間情報科学研究センター, 准教授 (60375425)
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Keywords | 地域経済学 / 新経済地理学 |
Research Abstract |
本年度は、まず新経済地理学の成果を整理し、さまざまな政策の問題に応用できるような基礎的枠組みの構築を行った。そのために、種々雑多な新経済地理学の成果を整理した。その際には、特に、都市の階層構造がなぜ形成されるのか、生産要素や居住地としての土地が都市集積にどのような役割を果たすかについて、詳細な分析を行った。 また、個別の都市・地域経済問題について、何がどう問題であるのか、予備的考察を加えた。 まず、都市内空間構造の再編の問題をとりあげた。第一に、都市内中心地への商業集積にかかわる諸問題について検討した。より具体的に述べると、新経済地理学の概念枠組みを用いて大都市における中心市街地と郊外のサブセンターの関係を明らかにし、中心市街地衰退の問題の本質を捉えることを試みた。第二に、都市内における自動車と公共交通のアクセシビリティ格差の度合と地域差、およびそれらの経年変化を分析した。そして、自動車に対する公共交通のアクセシビリティの向上が、自動車志向型都市構造を是正する上でひとつの重要な政策となり得ることを示した。 さらに、国内の輸送セクターの問題を考察した。一国の経済の効率性から見て、輸送セクターがどのような大きさであるべきか、考察した。そして、望ましい大きさに誘導するために、どのような政策が求められるか、分析を行った。 そのほか、不動産情報が不完全であることによって社会的損失が生じるという問題についても検討した。
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