2009 Fiscal Year Annual Research Report
道路混雑課金によるコンパクトシティ形成がもたらす費用・便益の理論・実証分析
Project/Area Number |
20330054
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
福井 秀夫 National Graduate Institute for Policy Studies, 政策研究科, 教授 (60251633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久米 良昭 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (60316643)
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Keywords | 環境政策 / 交通需要管理 / 土地利用モデル / 都市計画 |
Research Abstract |
1.道路渋滞による外部不経済の社会的費用計測 高崎市内中心市街地の幹線道路沿道にケーススタディ地区を設定し、同地区における土地の相続税路線価データを収集し、ヘドニック分析を行うことによって、騒音・大気汚染被害等による社会的費用を、資産価値下落影響を通じて計測した。具体的には、中心市街地2km四方の約100地点を対象として地価関数を推計したところ、南側建物により天空遮蔽率が10%増大すると地価が8%下落すること、また昼間12時間騒音が10dB増大すると地価が11%下落することを示した。 2.ロードプライシング導入による政策効果分析 東京大都市圏を対象として、環状8号線区域を約20ゾーンに分割し、都心方向又は環状方向にゾーン境界を通過する自動車に一律200円を課す道路課金を導入すると、23区内従業人口は6.0%、夜間人口は12.0%増大し、周辺4県の従業人口は7~9%、夜間人口は4~5%程度減少することが示された。 3.政策課題の摘出 実施主体は、道路管理者か、自治体か。また課金の位置づけとして、道路管理者が料金徴収する場合、道路法の「無料開放の原則」に抵触するか?自治体が徴収する場合、地方自治法上の収入規定(分担金、使用料又は手数料)と整合するか?また法定外税としての徴収は可能か?課金収入を道路整備に再投資する場合、道路整備財源制度との整合性は?など、道路課金導入に関する解決すべき法的問題を検討した。 また道路課金導入は、自動車利用者にとって不利益(=消費者余剰の減少)をもたらす。また住宅・事業所の都心立地を促進するため、建築規制が硬直的で床供給の弾力性が小さい場合には、地価上昇のデメリットをもたらす。これら関連政策分野における課題を摘出するとともに、その立法的対処策を検討した。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
Kume, Yoshiaki
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Journal Title
Empirical Analysis of the Evaluation of Judicial Precedents of Compensation Fees for the Surrendering of Lease Premises, in "New Frontiers in Urban Analysis : In Honor of Atsuyuki Okabe"(CRC Pr I LIc)
Pages: 85-114, 215
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