2010 Fiscal Year Annual Research Report
知識の生成・移転と組織能力に関する定量分析:科学型イノベーションへの展開
Project/Area Number |
20330077
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
馬場 靖憲 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (80238229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 浩一郎 関西学院大学, 商学部, 准教授 (80580349)
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Keywords | 知識生成 / 知識移転 / 組織能力 / 科学型イノベーション / ビブリオメトリック / 産学連記 / 先端材料分野 / バイオ医薬分野 |
Research Abstract |
本研究は、バイオ医薬、また、先端材料分野等の科学型イノベーションに参入する企業と大学等、一連の組織がどのような研究能力を持ち、どのように協力、また、連携することによって知識を生成・移転してイノベーションを実現しているか、知識の生成・移転、また、企業の組織能力の測定に論文書誌データを利用して、知識生成とイノベーションに関する構造とメカニズムを定量分析することを目的とする。本年度においては、先端材料分野において、科学者の研究開発の遂行時におけるモティベーションに着目し、先端研究の推進と同時に研究を通じた社会貢献を重視する「パスツール型科学者」が、典型的な科学者である「ボーア型科学者」と比べて全体としてバランスが取れた研究成果をあげる際の確実性が低い反面、長期的な視点から少数の傑出した成果を生み出す傾向があるという分析結果を得て、その成果をモントリオールにおけるアカデミー・オブ・マネジメントの年次集会において発表した。さらに、バイオ分野においては、前年度からの論文をResearch Policyに出版することに加え、研究ツールに関するマテリアル・トランスファーに着目することによりバイオ医薬分野の科学者コミュニティーにおいて、マテリアルの共有という協力関係がどのように展開され、産学連携の進展はバイオ医薬分野における協力関係にどのような影響を与えているか、定量分析し、近年、日本において進展した産学連携に関する一連の制度が科学研究の進展に対して果たした役割について、その政策的含意を明らかにした。その成果は、アトランタで開かれたAmerican Sociological Associationの年次総会において発表した。
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Research Products
(8 results)