2009 Fiscal Year Annual Research Report
アジアにおけるダイバーシティ・マネジメント:イスラーム、儒教、仏教を基盤として
Project/Area Number |
20330086
|
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
櫻井 秀子 Chuo University, 総合政策学部, 教授 (60203345)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高久保 豊 日本大学, 商学部, 教授 (20246804)
潜道 文子 高崎経済大学, 経済学部, 教授 (60277754)
中屋 信彦 名古屋大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (20325559)
木村 有里 杏林大学, 総合政策学部, 准教授 (40381652)
|
Keywords | 経営学 / イスラーム経営 / 中国経営 / 異文化経営 / アジア経営 / 経済事情 / 経営倫理 / コンプライアンス |
Research Abstract |
本研究は、アジアにおける関係型ダイバーシティ・マネジメントの実態を、理論と現場調査の両面から実証的に研究することを主な目的とするが、本年度は2回にわたる研究会において、中国経営とタイ経営の特性について検討を行った。<第1回研究会(6月20日)「中国におけるダイバーシティ・マネジメント(中屋報告)」、第2回研究会(1月30日)「グローバリゼーションとタイ社会の変容(木村報告)」>。中屋は市場経済へ移行しているといわれる中国においていまだ力を発揮している地域共同体経営の事例分析を報告し、木村はタイにおける仏教と経営の関係を分析した。合同による現地調査は、中国において行い、寺院、孔子廟、モスク、教会など、地域において中心的な役割を果たしている宗教施設を調査した。孔子廟、寺院の盛況は、観光化との関連がうかがわれるが、モスクや教会は、地域における互助的中心となっていた。ただし中東地域に比べると、喜捨の自由度は低いようであった。しかし聖廟参りを通じての人の動きも確認された。文献収集においては、儒家商人に関する文献を集め、翻訳のための選定を開始した。 本年度の研究から導かれた新たな課題は、関係重視型経営における法の役割と法令遵守の意識である。関係重視型は、法の未整備や法令遵守の意識の低いことから発達し、果ては不正がはびこり非効率化したと一般にいわれるが、欧米から導入された法との不適合、法令遵守の目的の違い等との関連も調べる必要があると考えられ、イスラーム圏についてはこの点に関する文献調査を開始した。来年度に向けて、イスラーム圏、中国における伝統的な法制度と伝統的な法令遵守、そして関係重視型経営の合理性について考察の準備を進めた。
|
Research Products
(13 results)