2010 Fiscal Year Annual Research Report
アジアにおけるダイバーシティ・マネジメント:イスラーム、儒教、仏教を基盤として
Project/Area Number |
20330086
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
櫻井 秀子 中央大学, 総合政策学部, 教授 (60203345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高久保 豊 日本大学, 商学部, 教授 (20246804)
潜道 文子 拓殖大学, 商学部, 教授 (60277754)
中屋 信彦 名古屋大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (20325559)
木村 有里 杏林大学, 総合政策学部, 准教授 (40381652)
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Keywords | 経営学 / イスラーム経営 / 儒法経営 / 異文化経営 / アジア経営 / 知足経営 / 経営倫理 / コンプライアンス |
Research Abstract |
本研究は、アジアにおける関係型ダイバーシティ・マネジメントの実態を、理論と現場調査の両面から実証的に研究することを主な目的とするが、3年目を迎える本年度は、イスラーム経営、儒法経営、知足経営のそれぞれの特性、現在のビジネス環境における現状と意義についてまとめ、発表につとめた。これらの研究を通じて見出された共通点は、共存と共有であり、イスラームの分有的経営、中国の伝統経営から新たに導かれた新儒法マネジメント、タイの小乗仏教から導かれた知足経営にそれぞれ反映されていることが明らかとなった。 合同による現地調査は、中央アジア、中国新疆ウィグル自治区を中心に行い、特に喜捨の状況とイスラーム経済の法令への反映について調査した。いずれにおいても政治的な意味合いからイスラームと社会システムの構築を模索することは困難な状況にあるが、喜捨を中心として贈与経済が社会的機能を果たしている点は把握された。また中国における調査では、各モスクによって公表された喜捨の資料を収集した。 本年度は新たな研究課題として、関係重視型経営によって堅持される実体経営について、法人企業の概念の分析に取り組んだ。中でもイスラーム圏の企業とは本質的に相容れない点を、存在論とイスラーム法の観点から考察し、中国やタイなどの文化圏との共通点の有無についても検討を開始した。欧米の研究においても、他者との信頼にもとづくコラボ消費の勧めもみられるなど、関係性を重視した経営のあり方に関心が高まりつつあり、それらとの比較も今後の検討課題としたい。
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Research Products
(14 results)