2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20330094
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
伊藤 邦雄 一橋大学, 大学院・商学研究科, 教授 (60134889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲條 祐介 横浜市立大学, 国際総合科学部, 教授 (40244503)
中野 誠 一橋大学, 大学院・商学研究科, 教授 (00275017)
加賀谷 哲之 一橋大学, 大学院・商学研究科, 准教授 (80323913)
竹口 圭輔 法政大学, 経済学部, 教授 (80386333)
野間 幹晴 一橋大学, 大学院・国際企業戦略研究科, 准教授 (80347286)
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Keywords | 自発的ディスクロージャー / IR / 非財務指標 / リスク情報 / 無形資産 / 研究開発 / 組織資本 / CSR |
Research Abstract |
本研究の狙いは、企業の自発的ディスクロージャーをめぐる企業経営者の姿勢やそれがもたらす経済効果を実証的に検討することにある。検討にあたっては、独自データベースの構築、当該データベースを活用した実証的分析を実施し、それに基づき研究分担者間での討議や研究会を実施してきた。 研究最終年度にあたる平成22年度においては、これまで蓄積してきた(1)情報開示担当者に対するアンケート調査、(2)研究開発活動やその成果と位置づけられる組織資本のデータベースの構築、(3)IR優良企業に関わるデータベースの構築、(4)無形資産優良企業に関わるデータなどを活用し、数多くの研究成果を作成してきた(たとえば、論文1、2や書籍など)。 そうした研究成果として、たとえば下記のようなものが挙げられる。 1日本企業の情報開示の実態と効果について理論的・実証的に整理を行い、過去数十年間にわたり会計情報の有用性が低下している実証的な証拠を提示したうえで、(1)リスク緩衝効果、(2)無形資産伝達効果、(3)業績予想達成効果などの総合的な観点から情報開示の経済効果を明らかにしている。 2上記の検証結果とこれまでの実証的ディスクロージャー研究の成果を整理したうえで、今後、研究者が取り組むべき研究領域として、(1)将来業績決定情報の拡充、(2)財務情報と非財務情報の統合、(3)強制的自発開示、(4)有事価値関連性の検証などを提示している。有事価値関運性の研究については、情報漏えいリスクを事例とした実証的研究成果についても提示している。 3その他、自発的ディスクロージャーの効果を、(1)コーポレートガバナンス、(2)財務報告・開示の信頼性、(3)税務情報・税務リスク、の3つの観点から整理し、日本IR学会研究分科会報告書「IRの実証的効果測定」にまとめている。 その他、各研究分担者は、ディスクロージャーにかかわる多数の研究成果を雑誌や学会などを通じて公表している。
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Research Products
(5 results)