2009 Fiscal Year Annual Research Report
予後予測モデルによる「介護予防サービス提供ガイドライン」の開発研究
Project/Area Number |
20330130
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Research Institution | National Institute of Public Health |
Principal Investigator |
筒井 孝子 National Institute of Public Health, 室長 (20300923)
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Keywords | 社会福祉関係 / 政策研究 / 応用数学 / 老化 / 解析・評価 |
Research Abstract |
本研究では、介護保険制度における要介護認定と給付データによって構築された2,000万人分の要介護高齢者の経年的データベースを用いて、第1に「要介護高齢者の身体機能および精神、認知機能の経年的な変化」を予測に基づいた高齢者分類モデルを開発し、第2に、この予測モデルの適用を高めるために「要介護認定データを用いた集団同期による高齢者分類方法の開発」を行う。これらの成果をもとに、適切な介護予防サービスのマネジメントを支援するための「介護予防サービス提供のためのガイドライン」の作成を目的としている。 今年度は昨年度までに、研究代表者と宮野連携究者が共同で開発した要介護高齢者の経年的なデータベースを用いて、新たな要介護高齢者の分類を開発した。さらに、本分類によって高齢者の状態像の経年的データから得られた「角度指標」により、維持・改善・悪化の3群に高齢者を弁別できた。 これは、これまでの介護予防対象者が単に、その時点で要介護が低いだけで、スクリーニングされる方法に比較すると、経年的に改善する可能性が高い要介護高齢者群を抽出できたという点で優れた手法であり、実践的にも予防効果が高い群に対してサービスを優先的に提供することも可能となる。 最終年度である平成22年度は、今年度、開発した高齢者分類の妥当性を検証すると共に分類別の介護や介護予防サービスの提供実態との関連について分析を行う予定である。また、最終的には、要介護度の高低ではなく、サービスの提供によって状態が改善する群に分類された高齢者に対する適切な介護予防サービスの提供方法のガイドラインを作成することを予定しており、当ガイドラインは、予後の明確でない介護予防ケアプランの作成業務に忙殺され、意欲を失いつつある地域包括支援センター職員に対し、科学的根拠に基づいたサービス提供方法を提示することとなり、介護保険行政において重要性の高いものとなると考えられる。
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Research Products
(10 results)