2010 Fiscal Year Annual Research Report
アイデンティティ構築メカニズムの解明-時間的展望の視点による縦断研究-
Project/Area Number |
20330137
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
白井 利明 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (00171033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 知靖 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 准教授 (30251614)
勝眞 久美子 奈良産業大学, 情報学部, 非常勤講師 (80413475)
尾崎 仁美 京都ノートルダム大学, 心理学部, 准教授 (10314345)
徳田 治子 高千穂大学, 人間科学部, 准教授 (40413596)
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Keywords | アイデンティティ / 時間的展望 / 成人期 / 縦断研究 / ナラティブ / 青年期 / キャリア発達 / 質的分析 |
Research Abstract |
今年度は,第1に,縦断調査の対象者320名に対して,質問調査を実施した。データを入力した。そして、データの集計および分析を行うと同時に、希望者に報告を行った。第2に,過去の18年間におよぶ質問紙調査のデータを潜在曲線モデルで分析した。具体的には,時間的指向性を説明変数とし,アイデンティティの3つの側面、現在の自己投入,過去の危機,将来の自己投入の希求の発達的変化を潜在成長曲線モデルでとらえた。その結果,未来指向がアイデンティティ形成に肯定的な影響を与えていることが明らかになった。その成果はアイデンティティ形成学会で発表された。面接調査結果との結合も行われた。アイデンティティステイタスのうち、達成地位と拡散地位の者を選んで比較した。その成果、それぞれに対応する心理過程が面接調査の語りからも得られた。この知見は教育心理学会で発表された。第3に,ナラティブ・アプローチによるケース研究を行った。その結果,現在の心的状態には揺らぎがあり,それが過去・現在・未来の視点のダイナミックな往復運動を生むこと,過去の出来事の意味づけは,過去の出来事以降の経過を受け入れで連続性を作りたす方向に変化すること,近い未来は,実際には選択の過程というより,覚悟や決意という形で未定の未来に向かう過程であること,遠い未来の展望は大きく変化することがなく,人生を方向づけていることが確認された。
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Research Products
(4 results)