2009 Fiscal Year Annual Research Report
医療・教育現場で真に役立つ自己制御尺度の開発と応用
Project/Area Number |
20330147
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
高橋 雅治 Asahikawa Medical College, 医学部, 教授 (80183060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌倉 やよい 愛知県立看護大学, 看護学部, 教授 (00177560)
伊藤 正人 大阪市立大学, 文学研究科, 教授 (70106334)
平岡 恭一 弘前大学, 教育学部, 教授 (40106836)
青山 謙二郎 同志社大学, 心理学部, 教授 (50257789)
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Keywords | 実験系心理学 / 行動分析 / 選択行動 |
Research Abstract |
教育チームでは、自己制御傾向の発達という視点から,就学児童を対象とする発達研究で使用可能な新しい自己制御検査が開発された。さらに、開発した尺度の有効性についての実験的検討が小学校において実施された. また,大学生の自己制御傾向と勉強行動についての実験研究が行われ、時間割引検査及び自己制御尺度と大学生のレポート作成行動の間に一定の相関関係があることが明らかにされた。 さらに,自己制御尺度を使って教育効果を評価する方法の開発という視点から、衝動性についての様々な心理検査と、自己制御傾向の指標のひとつである時間割引検査を同時に実施する実験的研究が行われた。その結果、それらの検査の間に相関が見られることが示された。 加えて、日本全国の大学生を対象とする時間割引のエコロジカル研究のための新しい簡易版質問紙が開発され,全国の複数の大学において検査が実施された。 一方、医療分野では、2型糖尿病の患者を対象として、入院中に実施された自己制御検査の結果と、退院後の自己制御行動の間の相関関係が分析された。その結果、退院後の自己制御の指標となるヘモグロビンAlc(HbAlc)量と,入院中に実施された自己制御傾向の相関の間に弱い相関があること、及び、肥満度により自己制御傾向が異なることが示された. また、前年度に開発した口腔保健行動の自己制御検査の妥当性を検証するために,開発した検査を高齢者を対象として実施し、同時に口腔ケアの程度を表す生理学的指標との相関が分析された。その結果、自己制御尺度と生理学的指標との間に相関があることが示され、開発された尺度の妥当性が示唆された。 さらに、数回の研究集会が実施され、教育場面で使用可能な汎用的自己制御検査の開発や、生活習慣に由来する疾患の診断・治療に役立つ汎用的な自己制御検査の開発が検討された。
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