2012 Fiscal Year Annual Research Report
ニホンザルとゴリラの生涯発達に関する縦断的な行動研究
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20330151
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中道 正之 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (60183886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 賢治 大阪大学, 人間科学研究科, 助教 (30547005)
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Project Period (FY) |
2008-04-08 – 2013-03-31
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Keywords | ニホンザル / ゴリラ / 生涯発達 / 縦断研究 |
Research Abstract |
勝山ニホンザル集団(岡山県真庭市)においては、昨年度に引き続き、全てのおとなメス(約50頭)を対象とした毛づくろいのデータをのべ約2500バウト記録した。高齢メスは、末娘との毛づくろいがより集中しやすい傾向、さらに、頻繁ではなくても、10年以上の毛づくろい関係が継続している異血縁の高齢メスペアの存在などが、昨年の結果と同様に確認できた。今年は、赤ん坊の出産が前年度に比べて多く、赤ん坊をもった個体だけでなく多くのメスが、前年度に比べてより多くの異なるメスとの毛づくろいを行っていた。つまり、赤ん坊の多数出産により、集団内ではより多様な毛づく関係が発生したと考えられる。 ゴリラについては、これまでに収集している1997年からの放飼場での近接関係のデータを整理し、集団のリーダーオスであるシルバーバックと4頭のオトナメスの近接関係は14年間にわたって、大きな変化がなく、したがって極めて安定していることが明らかになった。そして、この14年間お世話になっております。データの中で、メンバーの移出入が少なかった連続12年間のデータをもとに、英文論文としてまとめ、Zoo Biologyに投稿した(2013年4月時点で、審査中である)。 さらに、ニホンザル以外のサル類としてクロシロコロブス、霊長類以外の哺乳類として、シマウマとクロサイの長期的な母子関係の観察も追加して観察した。クロサイの観察が生後4年目に入った。単独性であるクロサイの子どもは3歳になり、下の妹が誕生してからも、母との近接頻度が減少しなかった。この事実は母とだけでなく他の集団メンバーと関わりながら成長するニホンザルやゴリラとは大きく異なることだけでなく、キリンなどの置き去り型子育ての種とも大きく異なることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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