2008 Fiscal Year Annual Research Report
日本中世の「大学」における社会連携と教育普及活動に関する研究
Project/Area Number |
20330160
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 慎一朗 The University of Tokyo, 史料編纂所, 准教授 (10242158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末柄 豊 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (70251478)
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Keywords | 教育史 / 日本史 / 大学 / 都市 / 寺院 / 高野山 / 高野版 / 五山禅僧 |
Research Abstract |
日本中世における高等教育機関としての大寺院が都市・社会とどのように連携し、どのような教育普及活動を展開したのか?という問題にせまるため、初年度である平成20年度は、一次史料の調査収集およびその分析作業を中心的な課題として研究を実施した。具体的には以下のとおりである。 (1)『大日本古文書高野山文書』第1冊から第4冊フルテキストデータベース化。業者による入力と、謝金(雇用)によるデータ校正を経て、第2冊までを既にWEB上で公開している。データベース化により、多様な史料検索が可能になり、高野山金剛峯寺における教育普及活動のひとつである「談義」関係の史料が多く含まれることが判明した。 (2)中世高野山から発信された教育普及活動の痕跡として、木版印刷による仏教教理のテキスト出版物(いわゆる「高野版」)が、列島各地に広範に存在することを発見(主として、各機関の図録・目録類の精査による)。高野山大学図書館における原本調査で、典型的な高野版の形状を確認するとともに、醍醐寺などにおいても、高野版原本の調査を行った。 (3)京都市醍醐寺・勧修寺および香川県萩原寺等の所蔵史料の奥書などの調査を通じて、中世においてこれらの寺院の僧侶が高野山をはじめとし、他の大寺院に赴き、修学・図書筆写に携わった事例を研究した。 (4)京都における五山禅僧の教育普及活動を探るため、室町時代の貴族の日記における五山禅僧の所見を収集し、データベース化をすすめた。実隆公記・親長卿記・宣胤卿記等について入力を行った。 (5)ヨーロッパ中世の大学に関する研究について、連携研究者のアドバイスをうけつつ、基本的な研究図書の収集につとめた。
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Research Products
(2 results)