2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20340003
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松本 耕二 Nagoya University, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (60192754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小森 靖 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 准教授 (80343200)
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Keywords | 多重ゼータ関数 / ルート系 / ベルヌーイ数 / 値分布 / L関数 / 関数関係式 |
Research Abstract |
当該年度に進展したのた、二重L関数の関数等式、双曲線関数を分母に含むDirichlet級数の理論、などである。まず前者については、研究代表者が数年前に得ていた二重ゼータ関数の関数等式を二重L関数に一般化することに成功し、さらにある種の超平面上では古典的な関数等式と同様の美しい対称性を持った表示ができることを発見した。多変数多重ゼータ関数の理論におけるはじめての本格的な関数等式の理論を得た、と考えている。次に後者の研究について述べる。Cauchy, Mellin, Ramanujanらの研究に始まる古典的なテーマのひとつである、双曲線関数を分母に含むDirichlet級数について、それがBarnesの多重ゼータ関数の関数等式の折り返しとして現れる場合があることから、複素解析的な簡明な意味付けができることを見いだした。特に有名なRamanujanの公式(Riemannゼータ関数の奇数点での値に関するもの)のBarnes多重ゼータ関数の立場かちの証明を与えた。さらにこうした現象の二重化として、双曲線関数を分母に含むEisenstein型二重級数を考察し、一般化されたHurwitz数を用いてその値を記述することに成功した。この結果はHurwitz-Herglotz-Katagamaの公式のある意味での高次元化を与えている。またこうした研究はゼータ関数のq類似の理論とも結び付く。実際、Kaneko, Kurokawa, Wakayama, Yamasakiらが近年導入したq類似ゼータ関数の特殊値が、上記の結果を適用することによって、レムニスケート周率を含む具体的な数値として書き下せる事を発見した。
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Research Products
(4 results)