2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20340004
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
有木 進 Kyoto University, 数理解析研究所, 准教授 (40212641)
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Keywords | ヘッケ代数 / 準遺伝被覆 |
Research Abstract |
6月にNewton研究所で開催された国際研究集会Representation Theory and Lie Theoryおよび3月にOberwolfach数学研究所で開催されたCombinatorial Representation Theoryで研究発表した。当該研究者は1996年にKashiwara-Lusztigの標準基底をv=1と特殊化したものが巡回Hecke代数の分解係数を与えるという定理を発表したが、その後Varagnolo-VasserotはA型Hecke代数の準遺伝被覆であるq-Schur代数に対しても同様の結果を示すことに成功した。今回q-Schur代数に次数を入れることによりこの結果がv=1と特殊化することなく成立することを示すことができた。今後はこの結果を巡回Hecke代数の準遺伝被覆一般の場合に示すことが目的となる。そのためには準遺伝被覆をHecke代数から構成することが必要であり、Changchang Xi氏と予備的な研究を行なった。その結果、Hecke代数の準遺伝被覆が同じAR-軌道に属するという概念と、A型Hecke代数のときは同じAR-軌道に属する準遺伝被覆は高々2つであろう、という予想を得た。その研究過程の中で、準遺伝被覆をHecke代数のYoung型加群の直和の自己準同型代数として構成するに当たりどのような制約条件がYoung型加群の直和に対して必要となるか、という点についてもある程度明らかにすることができた。 以上のほか、GL(n, q)の非等標数モジュラー表現論における既約表現の分類、すなわちDipper-James理論の前半部、について研究書を執筆し、第1章から第5章までについては下記URLにて公開した。 http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~ariki/DipPer-James.pdf (当該研究者の大阪大学への異動に伴い、現在は下記URLに公開している。) http://www.math.sci.osaka-u.ac.jp/~ariki/DipPer-James.pdf
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Research Products
(2 results)