2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20340004
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
有木 進 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (40212641)
|
Keywords | ヘッケ代数 / 準遺伝被覆 / 圏化 / 高階シューア代数 |
Research Abstract |
本年度は主としてB型ヘッケ代数の準遺伝被覆の研究を進めた。ランク2の場合にはブロック代数とその直既約加群が具体的に記述できるという特殊事情があるので、京都大学理学研究科・修士2年の原田君に計算してもらった結果、ランクが2の場合の事情はかなりよくわかった。一般の場合を理解するにはより一般的な考察を必要とする。この点についてはよいアイデアを思いつくことができなかったので、来年度以降の研究テーマとした。また、次数付q-Schur代数の分解係数と標準基底の関係の一般化について研究を進めた。高階フォック空間を高階q-Schur代数と関連付けることが大きな目標であるが現時点ではまだ難しい。そこで、GeckとRouquierがヘッケ代数の分解写像が2つの写像の合成に書けることを示していることに注目し、この結果が次数付に精密化できるための必要条件としてフォック空間の2種類の標準基底の間の変換行列の成分が非負整数係数多項式になる、という条件が成り立つかどうかを考察した。結論としてこの条件が確かに成り立っていることを示した。この結果はLecouvey氏及びJacon氏との共同研究である。また、完全ヤング加群のAuslander-Reiten軌道を考え、同じ軌道に含まれる加群の自己準同型代数がもとのヘッケ代数の準遺伝被覆になることがどれくらい起こりうるかについて考察した。 その他、A型ヘッケ代数の応用であるDipper-JamesのGL_n(q)の非等標数モジュラー既約表現の分類理論について執筆し、ブロック理論以外の7章294ページを備考欄記載URLで公開した。
|
Research Products
(5 results)