2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20340009
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西川 青季 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 教授 (60004488)
|
Keywords | 調和写像 / 接束のリーマン計量 / Q曲率 |
Research Abstract |
本年度, 実施計画に基づき行った研究による成果は次の通りである. 1. フィンスラー多様体間の調和写像の研究に関しては, この方面の研究の状況について, 実および複素フィンスラー多様体の双方の場合について総合報告を纏め, ルーマニア科学アカデミーから出版した. 2. スカウテン汎関数の臨界点の研究に関しては, 共形幾何学により適合した「全Q曲率」汎関数の臨界点の研究に発展させ, その第1変分(オイラー方程式)を決定した. 全Q曲率汎関数の臨界点の安定性(第2変分)と特徴づけは, 次年度の研究課題である. 3. 共形共変な微分作用素とQ曲率の関係は, 近年飛躍的に進歩した研究領域であるが, 日本では研究者がほとんどいない. そこで, この分野の研究の基礎から最新の研究研究成果までを解説する研究集会「Workshop on Q-curvature in Conformal Geometry」を2009年2月に東北大学において開催した. 4. 射影的正則曲線と射影的平坦な複素フィンスラー計量の特徴づけに関しては, このような曲線の存在が, 複素フィンスラー計量のケーラー性と深く関係することを見出した. また, 得られた結果を, ベドレボ(ポーランド), ロスコフ(フランス)および北京(中国)で開催された国際研究集会において招待講演として発表した. 5. 2次元球面の単位接束上に自然に定義される定曲率計量が, 全接束上に定義される一般化されたグロモル・チーガー計量から, 誘導計量として実現されることを証明した.
|