2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20340018
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山田 道夫 Kyoto University, 数理解析研究所, 教授 (90166736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 久 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (40143359)
竹広 真一 京都大学, 数理解析研究所, 准教授 (30274426)
林 祥介 神戸大学, 理学研究科, 教授 (20180979)
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Keywords | 熱対流 / 球殻内対流 / 回転流体 / 安定性 |
Research Abstract |
本年度は計画2年度としてまず,前年度に整備した数値コードを用いて,無次元回転角速度τが比較的小さな場合について,回転球殻内で静止状態から熱対流が発生するときの線形安定性問題を扱った.その結果,臨界安定となる点における経度方向の臨界波数は,τが十分に小さい場合は3であるがτの増加と共に次第に大きくなること,また臨界Rayleigh数はτにほぼ一次関数の依存性をもつことを見出した.臨界点近傍の対流は,τの小さな時は球殻に沿っ左パターンを示すが,τの増加に伴い赤道上で内殻に接し回転軸方向に伸びた柱状のパターンを示すようになる.また臨界モードは経度方向の位相速度を伴うが,τが十分に小さなときは(回転系からみて)位相速度は負(retrograde)であり,τの増加に伴い位相速度は連続的に変化しあるτ以上では正の位相速度(prograde)を示すようになる.次に,定常状態の線形不安定化によって発生した対流の非線形解を追跡し,非線形解の対流パターンの形態と位相速度を調べた.特に位相速度は,臨界点で負である場合は非線形段階でも負に留まるが,大きなτで臨界点で正となる場合は Rayleigh 数の増加に伴って位相速度の減少がみられ十分に大きなRayleigh数では負の位相速度を持つようになることを見出した.これらの結果は,線形不安定性の臨界状態およびそれに続く非線形段階において,対流の位相速度は正負に変化するが,それらは連続的な変化によるものであって,解の異なる分枝の出現によるものではないことを意味している.
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Research Products
(11 results)