2009 Fiscal Year Annual Research Report
数理ファイナンスにおける確率制御・フィルタリングの方法の発展と応用
Project/Area Number |
20340019
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
長井 英生 Osaka University, 基礎工学研究科, 教授 (70110848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KOHATSU-HIGA Arturo 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (80420412)
関根 順 京都大学, 経済研究所, 教授 (50314399)
小池 茂昭 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (90205295)
宮原 孝夫 名古屋市立大学, 経済学研究科, 教授 (20106256)
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Keywords | 大偏差確率制御 / ダウンサイドリスク / H-J-B方程式 / リスク鋭感的制御 / ポートフォリオ最適化 / インサイダー取引モデル / 弱近似 / 粘性解 |
Research Abstract |
・ファクターモデルとよばれる非完備な市場モデルを取り上げ、資産増加率が予め定めた値を超えない確率(ダゥンサイドリスク)を最小化する問題を考察し、その時間大域的挙動が、リスク鋭感的ポートフォリオ最適化問題の双対問題として特徴付けられること、そして、目標成長率に対応するリスク回避係数をもっリスク鋭感的ポートフォリオ最適化問題の最適戦略がその最適戦略となることを示した。また、同じ問題を線形ガウス型モデルに対して部分情報下の下で考察し、類似の結果ならびに、許容な目標成長率の範囲を具体的に表現した。 ・長時間大偏差確率最適化問題の別解法や関連した漸近裁定に関する考察を行った。また、畑宏明氏との共同研究を通して、ある種の非ELQG (Exponential of Linear Quadratic)型リスク鋭感的制御問題に明示的な解表示を与えた。 ・完全非線形楕円型方程式が1階微分に関し一次及び一次以上の増大度があり、非有界係数及び非有界非斉事項を持つ場合のLp粘性解の弱ハルナック不等式を示した(A. Swiechとの共同研究)。 また、弱ハルナック不等式が成立する範囲でL^p粘性解に対して、Phragmen-Lindel ofの定理が成り立つことを示した(K. Nakagawaとの共同研究)。 ・非完備市場におけるオプションの価格理論とその適用法を幾何レヴィ過程を基礎に研究すると同時に、必ずしも市場で取引されない資産の評価(リアルオプションやプロジェクトの評価)の価値評価法を、リスクを考慮しつつ評価する価値尺度(Risk-sensitive value measure)として定式化することを目指した基礎研究を行った。
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Research Products
(13 results)